YOKAI (妖怪) in New York 第14話 ブルックリン橋と妖怪

YOKAI (妖怪) in New York
第14話 ブルックリン橋と妖怪

ブルックリン橋
 2014年8月13日、「ブルックリン橋で誘拐がらみの検問が行われていたよ」というメールが知り合いから入った。ニューヨークの妖怪話を書こうと決めたのでいろんな人にニューヨークに関して何か面白い情報があったら教えて欲しいと頼んでおいた情報がよせられる。特にブルックリン橋はなんでもいいから出来事があったれ知らせてほしいと頼んでおいた。
写真右:夕暮れ時のブルックリン橋

 メールによると13日(水)ニューヨーク州の北部の自宅前で、親の代わりに野菜売りの店番をしていた12歳と7歳の姉妹が客をよそおって近付いた者に車で連れ去られるという事件が起きた。そのため地元の市警は付近一帯にアンバーアラート(幼児誘拐事件で発令される緊急事態宣言)を発令し、ブルックリン橋でも検問が始まった。びっくりした知人がその時点で僕にメールをくれた。事件は翌14日夜、50キロ離れた路上に停められていた車の中から囚われていた二人が逃げ出し、翌日15日に犯人は捕まった。誘拐犯は39歳の男と25歳の女であった。性的暴行のための誘拐らしい。これは又わからん。何故女性がいて性的暴行なのか。二人は人間でないかもしれない。ひょっとすると妖怪か宇宙人かも?

 ブルックリン橋では過去に宇宙人による拐拐事件も起きているから何があってもおかしくない。1991年2月、この橋の上で突然車が停まり、乗っていた女性が天使のように浮き上がりビルより低く飛んでいたUFO に吸い込まれたという。強い光を放つUFO はそのまま高度をあげ、次にはイースト・リバーに飛び込んだとか。ちょっと信じがたい眉唾話のような出来事が大きく報道されたのは、目撃者が国連のデクニヤル事務総長をヘリポートまで運ぶ二人のガードマンであったからだとも言われた。UFOに乗る宇宙人が自分等の存在を偉い人に確認させるための行為ではないかと噂されたとか。この橋を宇宙人が人間との遭遇場所に選んだとすれば、この橋に何かあると考えてもおかしくはない。

 また子供を乳母車にのせてブルックリン橋を渡っていた僕の仲間の版画家が、乳母車に入れておいた財布を盗まれてしまったという事件も聞いている。追っ掛ければよかったが幼い子供がいたから諦め、警察に届けたという。お金を失くして途方に暮れる彼に「よかったですね。赤ちゃんでなくて!」と警官が逆に慰めたと言う。彼が以前ニューヨークの大学から版画の教師として呼ばれた折のことだ。たくさんの人が通る橋の上で、まさか自分の目の前に置いていた財布入りのバックが盗まれるとは思ってもいなかったのであろう。しかし警官の言葉からは、財布の盗難などは日常茶飯事で、もっと厄介な事件、例えば誘拐なども起こりうることがうかがえる。この橋はテロや犯罪者の標的にされやすい建築物の1つであり、普通なら警戒するが彼はまだニューヨークへやってきて日が浅く、学習もしていなかったのであろう。日本でも橋と辻は幽霊やお化け、妖怪の出やすい所と警戒されている。若かった彼はそんなこと思ってもいなかったのであろう。

ブルックリン橋の星条旗 ブルックリン橋の星条旗が白旗に
写真左:通常のブルックリン橋の星条旗   写真右:星条旗が白旗に!
 実際にこのブルックリン橋上では事件が多発し、1年間振り返るだけで1冊の本が出来そうだ。僕がこのYOKAI in New Yorkシリーズを書き始め出した頃、この橋の上で面白い出来事があった。このブルックリン橋の橋脚の上に掲げてあった巨大なアメリカ国旗が、あっという間に真っ白な布に変身してしまったことだ。「幽霊の仕業か!」と僕は考えた。この日は日本でいう幽霊の日(7月26日、江戸時代に四谷怪談が最初に封切られた日)に近く、僕の頭は幽霊に占領されていたことにもよるが、布が黒や赤でなく白であったことが幽霊につながったのだ。

マシュマロマン
 一般的に言ってアメリカ人の悪戯ならきっと、あの「ゴーストバスターズ」に登場する妖怪、ふんわりした雪だるまのようなものにするだろうが、これはストレートすぎる。
写真右:ゴーストバスターに登場するマシュマロマン
ひょっとするとアルカイダ系の者があのツインタワーの次にこの橋を葬るということのメッセージかとも一瞬考えた。日本人は切腹する折、白装束になる。幽霊になるための準備なのだ。そのメッセージかと思ったわけだ。
事実はドイツ人アーティストの二人がアートの一環として厳しいセキュリティーを潜り抜け、誰にも見つからずに鉄橋に登り、アメリカ国旗と白旗を入れ変えた芸術パフォーマンスであることがわかった。

 ブルックリン橋はおもしろい。芸術と非芸術の狭間にあり、この世とあの世の間に存在する三途の川にかかる橋のようだ。別の見方をすれば四十九日の喪の期間のようだ。この喪の期間が妖怪のエリアであると説明している妖怪本もあった。人が生きるために食事をしたり、寝起きする居住空間のブルックリンと、金銭獲得のため働きに来るだけのマンハッタン、その間に存在するブルックリン橋はあの世とこの世を行き来する人々が彷徨う橋でもある。


<ニューヨークの妖怪シリーズ>

 さて今回も上記の話に因んだ僕のオリジナル妖怪画を紹介したい。

⑮ 『妖怪 ブルックリン橋』

妖怪ブルックリン橋

 ブルックリン橋の欄干部分に似たような羽根をもった蝙蝠型妖怪。自由に浮遊できる。表情がひょうきんで憎めない、ゴーストバスターズの妖怪に少し似たアメリカ風の妖怪にしてみた。
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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