YOKAI (妖怪) in New York 第13話 マンハッタンと『犬夜叉』の雲母(きらら)

YOKAI (妖怪) in New York
第13話 マンハッタンと『犬夜叉』の雲母(きらら)

セントラルパークこども動物園の岩山
 マンハッタン地区はそれ自体がとても強力なパワースポットであると、風水学者は言っている。様々な人々がニューヨークへ吸い寄せられるのもそのせいなのだろうか。このマンハッタンの地盤は巨大な雲母の1枚岩の岩盤でできている。氷河時代からのもので特にセントラルパークの岩にはそのパワーが他と比べ強烈だという。その中でもこども動物園の裏にある岩山や自然史博物館の周りがすごいらしい。岩のくぼみには精霊も住み着いているとも言われている。
写真右:こども動物園の裏にある岩山
 精霊話に僕は共鳴できないが、この公園に入ると思考力に異常をきたすことは確かだ。以前メトロポリタン美術館からホテルへ帰るとき、セントラルパークを通りぬけて帰ろうと思って西南へ向かって歩いていたつもりが、知らぬうちに岩の少ない北西へ向かっていたことがあった。遠くにビル群があって方向を間違えるはずがないのに。精霊が僕の進行を邪魔したのかもしれない。僕はアフリカのジャングルでもアマゾンの奥地でも、ニューギニアの原住民の暮らす森への一人旅でも、まず方向を間違えたことはなかった。そんな僕が大都会ニューヨークのど真ん中で道に迷うなんて、ここセントラルパークには何かがある。

1660年のロウア―マンハッタン
 マンハッタンの名はネイティブアメリカンであるレナペ族の言葉で「丘の多い島」とか「酔っ払いにされた島」という意味らしい。1626年、オランダ西インド会社の連中にお酒を飲まされ、わずか24ドルでこの地をレナペ族は売ってしまったという。
写真左:1660年のロウア―マンハッタン
 当時のネイティブアメリカンにとって土地の売買をするという概念はなかったので、まあ騙され奪われたのであろう。その頃ヨーロッパにはもうしっかりした商法があって、勝手に土地を巻き上げることは違法とされていたから、酒を飲ませ適当にサインをもらって奪ったのではと思われる。
 
神農本草経
 ところでマンハッタンのべースになっている巨大な岩盤を形成する雲母は、中国最古の薬物書『神農本草経』(写真右)によると長寿薬の一つとされた岩石だ。この岩石の効用は体にウイルスの入る寒熱症や、死人の肌のようになる死肌を直し、五臓を穏やかにして精液を濃くし延命させることができるという。人間を神仙に近付ける万能薬でもあるという。ということはマンハッタンを歩けば延命につながり精液も増えるということ?それでマンハッタンには多くの人々が集まり、欲望の街と化しているということなのか。

雲母
 雲母といえば、少し前になるが高橋留美子原作の漫画『犬夜叉』で、妖怪退治屋の珊瑚と一緒にいる猫が雲母(きらら)という名前だった。この雲母は2本の尾を持った猫妖怪のことだ。
写真左:『犬夜叉」』に登場する雲母
 尾が2本あるということは日本で古くから伝わる猫又だ。この犬夜叉に登場する猫又である雲母は、子供たちに絶大な人気がある可愛いキャラだが、闘わねばならなくなると巨大な牙を持った化け猫に変身したりする。人間の言葉を理解できる賢い妖怪でもあり、人間に危害を加えることもないとか。
妖怪退治屋(ゴーストバスター)といい、雲母といい、ただの偶然にしても面白い。作者がマンハッタンの雲母岩の存在を知っていたかどうかは分からないが、マンハッタンの妖怪がテレポーテイションで移動して日本まで飛んできて原作者に影響を与えたと考えると、妖怪話として成立する。

ニューヨーク初のキャットカフェ
 また面白いのは、2014年4月、ニューヨークのローワー・イーストサイドに全米初の『猫カフェ』が期間限定でオープンし、道には大行列が出来、1日に500人が殺到したということだ。
写真右:ニューヨークの猫カフェでくつろぐ人々
 猫カフェは日本発祥。どこかで猫又妖怪が絡んでいるような気がする。

御岩神社の巨石
 話は飛ぶが風水学で意味するところの巨石は、大樹とともに「気の通り道」を造るという。この日本で巨石を祀る神社と言うと茨城県にある御岩神社だ。
写真左:御岩神社の巨石
 ここの神社に参拝する者は、1歩足を踏み入れると爽快で心が豊かになるという。日本では古代の昔から尊いと思われる場所は「クラ」といい「磐座(イワクラ)」とは「岩の上に尊い者が降ってくる」という意味だとか。前述したセントラルパークの岩山に降りる妖精と同じことだろうか。風水では気が凝結するところには必ず水があるとも言う。マンハッタンはハドソン川とイースト川の水にはさまれている。風水学でいってもマンハッタンは異様な妖怪的な街であることが分かる。

 アメリカのニュースによると、先日の朝、猫がマンハッタンの地下鉄の構内に入り込んでしまった。猫又が誤って紛れ込んでしまったのだろうか。そのため地下鉄のB線とQ線を90分位に渡って停め猫を救いだしたという。それに対して乗客の抗議はなかったという。猫又にこの街は支配されている気分になってくる。



<ニューヨークの妖怪シリーズ>

 さて今回も上記の話に因んだ僕のオリジナル妖怪画を紹介したい。

⑮ 『妖怪 マンハッタン・キララ』
 
マンハッタン・キララ

 マンハッタンは2つの川に挟まれた雲母の岩盤でできている土地である。日本の漫画『犬夜叉』に登場する尾が2本の猫又妖怪の雲母(きらら)をニューヨークと合体させてみた。風水も絡めて水の中で寝そべる色っぽい(?)猫妖怪にしてみた。2本の尾はツインタワーを表している。
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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