YOKAI (妖怪) in New York 第11話 6本指(?)のマリリン・モンローは妖怪?

YOKAI (妖怪) in New York

第11話 6本指(?)のマリリン・モンローは妖怪?

6本指の足 のX線写真
 マリリン・モンローの左足には指が6本あり、デビュー前に手術をして削除したという多くの指摘がある。有名人につきもののでっち上げだろうと思う人に対しては、わざわざ6本指に見える彼女の写真を使って説明する者もいる。勿論やっかみ半分で同じ俳優仲間が作り上げたデマだ、という人もいる。どちらが正しいか分からないが、このような体の異変は特に珍しいことではないらしい。写真右:6本指の足のX線写真
 あの秀吉は右手の親指が2本あったと幼馴染の前田利家や宣教師のルイス・フロイスが書いているという。中国でも毛沢東の妻であった江青は足の指がモンローと同様6本あったそうだ。強い個性を持った者にはこのような現象が起きるのだろうか。
 この様に体の一部が多かったり少なかったりしているものに対して、一般大衆は神や妖怪としてあがめたり、怖がったりしていたようだ。歴史に登場するこれらに準ずる神や妖怪を探すと、身体の一部が足りないのは一つ目小僧や百鬼夜行に登場する1本足の唐笠小僧、熊野の1本たたら(目と足が1本)がいる。逆に多いのは三つ目小僧や目目連、千手観音、それに阿修羅像は顔が3個、手が6本もあったりする。これらは民にとって勿論、みな妖怪でもあり神でもある。

カニ爪足族 僕が独り旅をしたエチオピアには村人全員が2本指の足を持つ村、カニ足部落があった(1997年に発見され世界へ知れ渡り、日本でも大きなニュースとなっている)。(写真左)その折のニュースコメントでは、周囲の部落からは神の部落と呼ばれていると伝えていた。普通でない身体の持ち主は普通でない超力が宿るのだろうか。


 人間を越えた色香で迫るモンローもそんなところではないだろうか。彼女がどのように自分を磨き上げ、性的魅力を最大限発揮したのか、妖怪モンローの手の内に迫ってみた。
 絵描きの僕がモンローを見ながらすぐ想像したのは、エコール・ド・パリの有名なカバーガールで一世を風靡したキキのことだ。マン・レイはキキと恋に落ち、写真や絵で彼女を取り上げ、また日本の藤田嗣治が描いた代表作の一つもキキをモデルにしている。
 モンローはデビューする前、このマン・レイの撮ったキキの写真を見て研究していたのではないかと僕は推測する。というのはモンローがとるポーズや醸し出す雰囲気がキキにそっくりだからだ。モンローの若かったころ、マン・レイはアメリカにいてキキのたくさんの写真を発表していたと思われる。
写真左下:キキ 写真右下:マリリン・モンロー(映画「7年目の浮気」からのワンシーン)
キキ7年目の浮気マリリンモンロー

 モンローは16歳でスカウトされグラビア写真のヌードモデルになったのだから、同じ裸のモデルであるキキを参考にするのは当然と言っていいだろう。モンローは映画「ナイアガラ」で初主演、その後「七年目の浮気」などであっという間に大ブレイクし、アメリカを代表する女優となり、セックスシンボルとなった。

オダリスク キキ
写真上:オダリスク モデルキキ 撮影マン・レイ 
モンローの最初のヌード写真
写真上:モンローの最初のヌード写真

 エコール・ド・パリは日本の浮世絵によるジャポニズムの影響を受けたヨーロッパで花開いた芸術運動、又は芸術集団である。キキはその時代に芸術家たちの憧れの的となり、一世を風靡した。僕は思うのだが、浮世絵というのは西欧人にとっては初めて見る、非常にエキゾチックで神秘的なもので、彼らはそこに妖怪性を感じたのではないかと思う。実際にはありえない春画での巨大な男根、写楽の大胆なデフォルメの役者絵、極端な遠近法の構図、見たこともない妖怪がうごめく絵に、エコール・ド・パリの連中は衝撃を受けた。キキが彼らの間で女王様になれたのもキキの不思議な妖怪性のなせるわざだったかもしれない。

アングルのヴァイオリン 
 キキの背中を楽器であるヴァイオリンに見立て、その模様を描きこんだマン・レイの写真は非常に有名だ。百鬼夜行図に琵琶に手足が出て歩き回る絵があるが、それと通じるところがある。
写真右:アングルのヴァイオリン モデルキキ 撮影マン・レイ

 そのキキにあこがれ手本にしたモンローにも同じような妖怪性があるようだ。モンローは亡くなってからも天国へは行かずアメリカ中を彷徨っているらしい。例えばハリウッドにある彼女の定宿のホテル・ルーズベルトの9階では、彼女がたまに戻ってきてホテルを昼も夜も彷徨し、部屋の鏡には時折彼女が亡霊となって映るというし、プールサイドには水着姿のモンローがよく現れるという。つい3年前にはニューヨークを舞台とした映画「7年目の浮気」で着ていた、あの地下鉄の通気口からの風で舞い上がるドレスが競売にかけられ、なんと3億7千万円程で売れたという。

マリリンモンローの墓
 またロサンゼルスのメモリアルパークは多くの芸能人の墓があることで有名だが、そこには引き出し状になった個人用の納骨室があり、モンローの納骨室もある。(写真左)
 2009年、彼女の墓納骨室の真上にある区画が売りに出されたという。その持ち主である亡くなった夫の妻がお金儲けのため夫の亡骸を他所へ移し競売にかけたというのだ。この死んだ男は自分が死んだらうつぶせにして納骨してくれるように妻に頼んでいたそうだ。この男の妻がモンローに嫉妬して墓を競売にかけたのかもしれない。4億3千万円で落札されたという。モンローは亡くなっても色香を振りまいて他の女に嫉妬心をおこさせているわけだ。世の中には野球選手のジョー・ディマジオのように正式に結婚できなくても、死後でいいから彼女の上に乗りたいというスケベ親父が多いのだろう。自分の死後、亡骸の下にモンローの体があると思えば死ぬのも楽しいかもしれない。
 ここでも分かるように男たちはモンローの幻影に恋をしている。彼女に近づき普通の女であることが分かると男たちは去っていくと言われている。野球選手のジョー・ディマジオとは274日で離婚しているし、その後結婚した作家のアーサー・ミラーとは法律上の結婚状態は続いていたがやはり1年足らずで不仲になっている。その後ジョン・F・ケネディーやロバート・ケネディーとの恋もみな彼女の幻影に男たちは化かされ恋をしたのではないか。

マリリンモンロー像 シカゴ
 シカゴの街には「7年目の浮気」のワンシーン、例のモンローのスカートが舞い上がる姿のフイギュア像(写真右)が設置された。8メートル及ぶ巨大なものだ。観光客にも人気のスポットとなったが、その大きさから必然的にスカートの中をのぞくかたちになり、評論家や地元住民の間では評判が悪く、また国内のワースト・パブリック・アートのベストテンに選出され、脚が壊されたり赤のペンキをかけられたりとご難続き。2012年には彼女の生まれ故郷であるカリフォルニアにこの像は移動されたという。モンローの霊を鎮めるために故郷へ移動させたのであろうか。いやはや彼女は死後も我々を悩ませている。やはりモンローは妖怪となってこの世に出没しているのである。



<ニューヨークの妖怪シリーズ>

 さて今回も上記の話に因んだ僕のオリジナル妖怪画を紹介したい。僕は何でも妖怪にしてしまうが、今回はあのセックスシンボルのマリリン・モンロー妖怪だ。狼男、吸血鬼といった怖い妖怪ばかりでなく、セクシーで可愛い妖怪がいたら、みんな楽しくなる。そんな妖怪画がちょっとHな『スカートめくり』の妖怪だ。

⑬ 『妖怪 スカートめくり』
妖怪スカートめくり

 セクシーな美人のモンローを題材に僕のオリジナル妖怪を作ってみた。モンローといえばあの有名な通気口のシーンということで、誰もがご存知のスカートが風にひるがえる妖怪にしてみた。男の子ならスカートめくりは、やってみたいいたずらのトップだ。通気口の風になりかわってみたいという夢を実現させてくれるのが、このモンローの妖怪だ。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

カウンター(since2011.1.1)
プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR