外国人芸術作品展 FOREIGN ARTISTS EXHIBITION

外国人芸術作品展 
FOREIGN ARTISTS EXHIBITION


 12月8日(日)まで名古屋国際センター4階で、中部地区在住の外国人の美術展が催されている。多くの外国人がプロ、アマ問わず、自由気ままに描いた作品で、それぞれのお国柄が出ていて、見ていると楽しくなる。その中でも日本人の僕にとって特に面白く興味をそそられるのは、浮世絵や漫画と言った日本文化の影響を少なからず受けている作品だ。

アンナの作品
 ポーランド出身の平野アンナさんはきれいな着物の帯の中央を縦に裂いて、その裂いた部分の糸を外側に伸ばした作品だ。
写真右
 日本人ならまず着物の帯の真ん中を裂いたりはしないだろう。裂き方がまた面白い。バギナ風に裂いてあり、ほじけた糸を陰毛風に見せている。中には1メートル大の流木を埋め込み、ますますイメージを性に持ち込んでいる。浮世絵の春画以上のインパクトがある。この作品、ここに出されている百数十点の作品の中で芸術的に一番すぐれているのではないか。これなら世界のどんな展覧会に持ち込んでも、日本文化を上手くとらえた作品と評価されるのではないか。帯をこのように扱った作品を僕はこれまで見たことがない。
 50年も前になるが、名古屋出身の現代美術家である荒川修作が同じようなイメージの作品を創ったが、アンナさんの方がストレートで面白い。きっと日本人である御主人の影響が大きいのではないか。ご主人はこの地の大学の教授。定年にでもなったら二人で作品を抱え、世界を回って展覧会でもするといい。帯を使った新しい浮世絵春画の現代美術作品として評判になるのではないか。性を扱っても嫌みのないところが僕は好きだ。
 
のび太としずかちゃん
 もう一つ可愛くエッチで面白い作品は、ドラえもんの漫画を使った作品だ。
写真左
裸のしずかちゃんが聖書のアダムとイブのお話に出てくるリンゴの木からリンゴをとろうとしている。バイキンマンが蛇になっている。そのしずかちゃんに同じく裸になったのび太クンが抱き付き、おケツにかぶりついている構図の作品だ。一見するとすごく卑猥だが、すぐにこにこ笑えてくるから不思議だ。のほほんとした卑猥さがここにはある。外国人が日本の漫画に精通しているのも嬉しい。

アイマスクの美女
 また、美女がアイマスクをしている写真作品も気になった。 写真右 
アイマスクの表面が画鋲で覆われている。女の目は危険であると、我々男に忠告を与えているようにも感じられる。
 ここに飾られている作品の中には、かつて外国人が抱いた日本に対するステレオタイプのイメージ、芸者や富士山などが描かれているものもあるが、これらを含め日本人の思考でこの展覧会の作品を見ると不思議な異空間にいるような気がしてくる。
 
 この美術展を仕切っているのが国際地域開発センターの元職員のジム・ゴーターさんだ。彼の絵は日本の壊れたかけた民家を細密画風に描いている。日本人が描くとなんでもないが、青い目で描かれると不思議な気持ちになり、嬉しく感じられる。日本人が忘れたものを外国人がもう一度引っ張り出してくれる嬉しさだろうか。
 
 この美術展は日曜日まで開かれている。無料でもあるし、さまざまな国の人と話ができる。

 ところで今僕は妖怪研究をしているが、中国の妖怪について調べ始めている。そう思ってみていると、この展覧会では中国人の作品はあまりなかったような気がした。現在日本に住んでいる外国人の中で中国人はかなり多いと聞くが、趣味として絵を描く人はあまりいないのだろうか。中国には妖怪話が多くても妖怪の絵は極端に少ないという。何か関係があるのだろうか。



 さて今回もまた妖怪の作品2点を僕の平成百鬼夜行の中から紹介させていただきたい。今回のブログは外国人の話だから外国に関する妖怪を2点紹介したい。

黄風妖怪PM
⑱「黄風妖怪PM2.5」   写真右

 『絵本百物語』の中の風神は黄色なる気を吐くという。これは思うに黄砂(黄色の土、黄土)のことではなかろうか。中国では地の色を黄に配することから、「黄泉」すなわち死後の世界、冥途という意味の語ができた。中国から飛んで来るPM2.5をそう考えて描いてみた。黄色い妖怪の根元には「万里の長城」がある。





妖怪顔十字





⑲「妖怪顔十字」   写真左

 中区橘にある栄国寺には殺された200人余の亡霊が巣くっているという。江戸初期、尾張藩は幕府から「キリシタンを処分せよ」と言われ、キリシタンをとらえここで処刑した。そのためかどうか第2次大戦の名古屋大空襲では付近がすべて焼かれたのにここだけは焼かれなかった。処刑された人たちの顔で十字架妖怪を描いてみた。

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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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