麻薬探知犬と遊んだ男、ホテルのベランダでスイミング、世界遺産に大便

メキシコ旅行の珍事 ベスト3

その1 空港で麻薬犬に飛び付かれた大須の仲間

 大須で刺繍業を営んでいるBさんは、自分の顔を描いた作品を区民展に出し市長賞をもらってしまった。彼が生まれて初めて描いた作品に僕がチョッとした助言して描き上げた絵だ。アートは個性。その点で申し分なかった。僕は相手の絵を見て、どうすると個性豊かになるか助言するが、この才能は誰にも負けないと思っている。僕が忠告や助言をしづらいのは、そこらの絵描きの紋切型のお絵描き指導を受けてしまった作品だ。Bさんは誰にも教わっていないから、自分の持つ個性が作品にもろに出て才能を引き出しやすかった。最初から絵描きにでもなっていたら日本のゴッホ、ゴーギャン級になっていたかもしれない。

麻薬探知犬 その彼がメキシコシティーの空港ロビーで麻薬犬に飛び付かれた。
写真右:麻薬探知犬
 本人は自分が犬好きだから犬も分かって喜んで飛びついたと思っていた。ところが周囲は大騒動になった。空港麻薬警察官達は麻薬を持っているらしいあやしいおっさんがいるとして彼を取り巻いた。(彼の風貌は香港の麻薬王か、ドラゴンボールの亀仙人に似ている。だから完全に疑われたのだ)
写真下:中央の男性がBさん 
麻薬探知犬と遊んだおっさん

 その後、彼はトランクを開けさせられ、シャツの1枚1枚にいたるまで丁寧に調べられることになった。手荷物用のバッグも隅々まで調べられた。だがどうしてもあるはずの白い粉を警察官は見つけることができない。そこでやむなく、匂いを嗅いだ麻薬犬をもう一度連れて来て荷物を嗅がせることにした。
 麻薬犬が見つけ喰いついたのは、手荷物用バッグの中にあったチーズだった。彼が大好きなお酒のつまみ用に持ってきたものだ。警察官は麻薬をチーズの中に入れて持ちこむ新手の運び屋と思ったのだろう。チーズの包装紙を破き、割って中を調べたが何もない。きっとチーズの中に練り込んで入れてあるのだろうと匂いを嗅ぎ、まず犬に毒味をさせた。犬は大喜びでガツガツ食べ出し、犬に異常が無いことが判明すると、警察官達も試食しだした。 
 結果的には麻薬が入っていないことになったが、犬や警備員に匂いをかがれ、食べ散らされたチーズはもう食べられない。結局犬の餌になった。麻薬犬は麻薬に反応するように訓練されているのに、チーズの匂いは我慢できなかったのだろう。やはり犬は犬なのだ。

その2 メキシコ、メルダのホテル7階のベランダでスイミング体操(?)をする岡崎のおばちゃん

 珍事その2はメキシコ湾に面した街、メリダのホテルでのこと。ある朝7時頃、我々が周辺の朝の散歩から帰ってくると、メンバーである岡崎の絵描きおばさんが、ホテル7階のベランダで我々に向かってしきりと手を振っている。何だろうと思ってよく見ると平泳ぎで泳いでいる動きだ。

40℃の中を歩くチチェンイツァ メキシコは気温が日中は40度程になる。その中で前日はマヤ遺跡のピラミッド登りを経験し、(写真右:40℃の中を歩くメンバー、チチェンイツァ遺跡にて) あまりのしんどさと熱さに、プールがあったら泳ぎたいと皆思っていた。(実際その暑さや疲れでメンバーの半数程が正露丸も効かない下痢になった。)
 誰かが「ホテルの屋上にあるプールで泳いで気持ちよかったよ」と言っているんだねと解説をする。「この小さなホテルにプールがあるのかしら?」別の誰かが言った。
 その後我々はホテルでの朝食を済ませ、8時出発のバスに乗り込んだ。だが7階の岡崎の女性だけが来ていない。「彼女、まさか部屋で死んでいるのでは?」と誰かが。「いや朝、ベランダで泳いできたよと手を振っていたからそれは無い」と別のメンバー。心配になって部屋へ電話をかけたが出ない。別の人が部屋まで行ってノックしたが返事が無い。
 すわ一大事と言うことで、合鍵をフロントで借りてみんながとんでいった。部屋に入ると彼女は部屋の外のベランダでまたスイミングのフォームをしていた。なんとこれはスイミング練習でなくドアを開けてほしいというゼスチャーだったのだ。閉まっているベランダのドアを開けて真相が分かった。彼女は朝の5時に新鮮な空気を吸おうとベランダに出て、そのままガラスのドアを閉めてしまったようだ。ドアは外からのドロボーの侵入を防止するよう自動ロックになっていた。そのため彼女はベランダへ閉めだされてしまったのだ。電話もかけられず、5時から3時間しんどかっただろうと思われるが、我々のバスはそのため大幅に遅れることになった。暑くてプールに入りたいという前日の思いが我々になかったら、彼女のゼスチャーに気付き、朝食もなしで(実際は添乗員が簡単なパンと果物を調達してきたが)顔も洗わずバスに乗ることはなかったのに。

その3 世界遺産に大便を

ルイスバラガン邸
 3つ目の珍事はメキシコシティーにあるルイス・バラガンの邸宅でのこと。ここは個人宅だが世界でも珍しく「ユネスコの世界遺産」になっている。
写真右:メキシコの世界遺産、ルイス・バラガン邸
 バラガンは日本の安藤忠雄も敬愛する建築家。伝統と現代を組み合わせたモダンな建物で、ここは光の舘とも称されている。「部屋に置かれているものは一切触ってはいけない。写真撮影は許可を得て数万円払えばOKだが、インターネット等に写真の転載禁止」という厳しい制約を受けての見学になった。ここは寝室、ここは居間、ここは食堂、ここはトイレと案内人の説明を受けながら進む。
 我々のメンバーの一人は下痢か、さもなくば見学に熱心で少し遅れていた。その彼が居間に隣接するモダンなトイレの前で係官に「入ってもいいか」と尋ねた。係官は当然見学をするだけだと思って「どうぞ」と言う。ところがその彼、トイレに入ったら内側からカギをかけ本当に大便をしかけた。係官は真っ青。ドアを叩いて「見るだけです、使ってはいけません」と怒鳴っていた。もう水道も引いてないようだった。世界遺産にもし大便をしてしまったら大ニュースになったかもしれない。けれどまあ本人には面白い土産話になったとは思うが。


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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