日本美術家19人展 in メキシコ

メキシコでの美術展
メキシコ日本美術家19人展

 来週から僕と、僕の周囲の画家19人による19 Japanese Artists in Mexico展がメキシコシティーで始まる。メキシコ市と名古屋市は友好姉妹都市のため、この展覧会には河村名古屋市長のメッセージと有松絞りのお土産を持っていく。メッセージやお土産に加え、当地の日墨協会の後援も得ているから美術展は盛り上がると思う。

写真右:展覧会のポスター
写真下:川村たかし市長のメッセージ
河村たかし市長のメッセージ

 名古屋は中国の南京とも友好姉妹都市関係にあり、20年程前には『ピカソと南京』と題した僕の講演も南京市の美術館でやっている。だが今は諸事情あって、あまり交流が無くその分、メキシコとの交流ができないかというのが今回のメキシコ展の目的の一つでもある。
 
 ところで僕はメキシコへは10年程前、キューバ旅行の帰りに寄っている。危険だから空港でタクシーを拾う時はインフォメーションで聞いてからにすべきだという旅行誌の忠告に従わず、目の前で客を降ろしたタクシーを見つけすぐ乗ってしまった。ところがやはりタクシー運転手とトラブルになった。僕は乗る前にタクシー運転手と交渉し、彼も「メーターでOK」と承諾したのだが、いくら走つても料金メーターを倒さない。僕の要求を聞いてくれないのに始って「倒せ!」「倒さない」で運転手との喧嘩になった。その喧嘩がエスカレートするにつれ運転手は車のスピードを上げ出した。もう我慢が出来なくて「降ろせ!」と怒鳴るが向こうは聞く耳を持たない。運転手の目的が分かった僕は「いくら欲しい?」と言うとスピードを少し緩め「3000ペソ(約3万円)よこせ」と言う。「No.」と言うと「2000ペソにしてやる」と言う。きっと1000ペソで手を打つ気だなとは思ったが、200ペソもしないのにあほらしいと、負けん気の強い僕は闘うことにした。外国でのタクシーのトラブルはもう何回か経験している。僕は詐欺を許せない。これで僕が引っかかると次に乗る日本人もこの手でやられる。それに僕がそんな引っ掛かりそうな馬鹿ずらした男に見られたことに、ものすごい反発を覚える。
 二年前、名古屋市の近郊で水彩画を描いている絵描きにカレンダー作りで詐欺的行為にあったが、そんな三流の田舎絵描きに詐欺されるようなレベルの低い絵描きに自分が思われたことに無性に腹が立つ。今でも殴ってやりたいほど怒りを覚える。

市場風景
 話を戻すと、1000ペソでもOKと言わない僕に運転手は「オレの選ぶホテルに泊まれば、そこに連れて行ってやる」と折れてきた。僕にはある考えがあってOKを出す。車は運転手とグルらしいホテルの前に停まった。車外に出て周囲を確認すると、20~30メートル前には数人の通行人がいる。それを確認してから僕は予定どおりの行いをする。車の中に200ペソを投げ入れ、「バイバイ、サンキュウ」と言ってホテルには入らず人のいる方へ歩き出した。この方法、エジプトのカイロでもやって詐欺運転手から逃げ切った。運転手が追っかけてこようとしたが周囲に人が多すぎて諦めたようだ。

 僕の旅は常に危険を伴っているが、その中にはこのような詐欺師たちとの駆け引きも含まれ、それがまた旅のおもしろさにもなっている。この精神があると街のどこへでも入って行ける。市場の雑踏や娼婦街、貧民が住むどや街、また夜の12時頃の独り歩き等、危険と隣り合わせのドキドキ感がおもしろい。
写真右:メキシコシティの市場風景
 これは一人だからやれるとも言える。日本人が二人いると、すぐ日本人であるということがばれて目立ち狙われる。僕はひげを生やしていることもあり一人だとマークされにくい。日本人臭いがどうかなと思っているうちに通り過ぎてしまう。メキシコシティーは東京都の7割ぐらいの土地なのに人口は2000万人程だ。東京都の3倍程の込み具合であり、そこからも危険度の高いことが分かる。僕のかつての旅行に話がとんでしまった。メキシコでの美術展の話に戻そう。

シケイロスの作品
 ここメキシコシティーの市民は美術に高い関心を持ち、造詣も深い。ビルの壁やショーウインドーなどいたるところに美術作品があり、さながら街が美術館のようだ。
写真左:ビルの壁一面に描かれたシケイロスの作品
 美術館も常に見物人で込んでいる。ある美術館のオープンラウンジでは、美大生らしい学生を前に大学の先生が授業をしているのを見た。その自由な講義の雰囲気がうらやましかった。
写真右下:美術館での授業風景
 
美大の授業風景
 そんなわけで僕等の美術展もきっと市民の関心を集めることと思っている。美術展等の話は帰ってからのこのブログに載せたい。向こうでは美術展以外に日本から持ち込んだ日本的な品のチャリティも行う。僕も版画作品を10点程持ち込んで売れた儲けは日墨協会へ寄付するつもりだ。会長への手土産は江戸から敗戦まで造り酒屋であった我が家で使われていたそろばんにした。これでそろばんも浮かばれると思う。

 ※メキシコ好きの友人に言わせるとメキシコ人は日本人を尊敬しているから暮らしやすいという。彼等は長い間アメリカに疎外されてきた。そのアメリカと戦争をしたのは日本とベトナムだけ。だから日本人には敬意を払うという。本当かなと思えるが。


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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