ジム・ダイン展 名古屋ボストン美術館

ポップアートの画家「ジム・ダイン」展始まる
於名古屋ボストン美術館

ポップアートを始めとして世界に起こった新しい芸術運動の全てを名古屋では一番最初に試みたと自負する僕


ジムダイン道具箱 ジム・ダインはジャスパージョンズやリキテンシュタイン、ウォーホール等と同時期に同様の活躍をしたポップアートの作家だ。この時期の画家たちはアメリカ国旗を描いたり、アポロ宇宙船や交通標識等の写真を貼り付けたり、ミッキーマウスやマリリンモンローの写真等身の回りにある物を描いたり、貼ったりしていた。写真や実際の小物などくっつけるからコンバインアートと呼ぶ作品群もある。そうなると技術的にうまいとか色がきれいといった見方がもう通用しなくなり、この頃から「前衛美術」という呼び方も「現代美術」に変わってしまった。 

 このポップアートは我が国では定着しなかった(針生一郎言)。絵画の技術を重んじる日本人は誰でも思いつきで出来るようなアイデアだけに見える作品を作りたくなかったのだろう。日本の中でも特に保守的な名古屋の絵描き達はこういった ポップアートをほとんど誰もやろうとしなかった。だから今回のジム・ダインの展覧会も見学者が少ないのではと気遣っているが。写真上:ジム・ダイン作「道具箱」1966年

「新し物好きの山彊先生でもやってないのですか?」。やってましたよ。
40年以上前のことで当時僕は保守名古屋のほぼすべての画家と闘い、常に新しいアートに挑戦していた。このジム・ダインが活躍した60年代は安保闘争から始まって、学生運動が一番盛り上がった時期でもあった。僕ものんびり絵なんて描いている時代ではないとして、教え子のやっている政治闘争に、またゴミを芸術作品として県美術館に出すが、ゴミとして撤去された(世界ではアセンブリッジと称され認められている)ため、裁判に持ち込んだ若い芸術家を支援したりしていた。
  
雷神と裸婦
 僕は当時描いていた「太郎と花子」餓鬼草子シリーズ(講談社の世界美術全集に掲載)のスタイルを捨て、社会の出来事等をコラージュや写真として作品に取り込むポップアート調の作品に取りかかっていた。
 だが単にアメリカの真似をするだけでは芸術ではないとして、僕が発見した新しい転写版画の技法を取り入れていた。それは雑誌や週刊誌の写真をエポキシ系ボンドで張り付け、その後シンナーで紙だけ剥がしシルク作品とコンバインさせるものだ。
写真左:山田彊一作「風神雷神図と裸婦」1972年(シルク版画と転写版画)
写真下:山田彊一「アポロ月面着陸と米国の老人」1973年(シルク版画と転写版画)
 常に世界情勢と平行移動で作品制作が出来るから、政治や文化の欺瞞を暴こうとする僕にはやりがいがあり数百点の作品を残した。
 
アポロ
 これらは世界中の反戦展に出すことができた。そのため体制に迎合し保守性をよしとする世間から偏屈男にされてしまった。そんな世間の目を払拭するため、当時日本の現代美術界で最難関と言われた毎日新聞主催の現代美術展や、ジャパンアートフェスティバル展などに出品し、何度も入選することで自分の美術のレベルを確かめていた。しかし美術が政治のうねりを大幅に変えることはなく、美術の弱さを実感した時代でもあった。

 僕の美術に影響を与えたポップアート芸術家のひとりであるジム・ダインがその後、どのような美術を展開したかを今回の美術展で僕は知りたかった。僕が記すよりも観ていただければ分かると思うが。

村松画廊個展パンフ

写真右:山田彊一 東京銀座 村松画廊個展パンフ1975年上の写真など当時の僕の作品を発表
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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