会田誠展 森美術館

森美術館で「会田誠展」を見てきた

会田誠展ポスター
 先週、7月26日(幽霊の日)に出版する『名古屋力』(妖怪編)の打ち合わせのために、新宿の出版社へ出向いた。そのついでに6本木ヒルズで開かれている「会田誠・天才でごめんなさい」展を見てきた。半年ぐらい前に東京へ行った時も都内の駅の看板には、この美術展のポスターがいろんなところに貼られ、見に行かなければ日本のアートに取り残されると思っていた。
写真右:六本木ヒルズ1階。「会田誠展」のポスターが貼ってある。
いい悪いは別にして今のアートの現状を知るためには観なければならない美術展だ。「天才でごめんなさい」のタイトルは自分で半ばふざけてつけたと言うが、これはヒットだ。
 僕から見るとこのタイトルはおもしろいジョークに思え、全然いやみには感じられない。一方僕の周辺の一般の人たちはこのタイトルだけを観て漠然と、会田誠は天才なんだと思い込んでいる。わざわざ観に行く気も無い彼らの頭にはタイトルだけ飛びこみ「会田誠は天才なんだ」と刷りこまれていく。こんないいタイトルは他にはない。こんなタイトルを付けるなんてさすが天才だと僕にも思われる。


そばミニかつ丼 ところで東京へ行くと常に僕が食べるものがある。それは天そばだ。以前の東京の水はまずく吐き出してしまいそうだったが、天そばだけは味が濃く、まずい味を消してくれるから好きだった。近頃は東京で水を飲んでもまずいと言う印象は無くなったが、それでも癖は抜けず「そば・ミニかつ丼セット」500円を食べた。
写真左:500円の「そばミニかつ丼」
このセット、安いから有難いと思って食べたが肉がさくさくで何かおかしな味だった。口直しに入った喫茶店のコーヒーは450円もした。東京は極端すぎる。高いのにおつまみも無かった。「それは名古屋地区だけでしょう?」嬉しかったのは「ホット」の一言でコーヒーの注文だと分かってくれたこと。次に来た客も「ホット」と言っていた。以前これを言ったら「それは名古屋の連中だけに通用する言葉だ」と東京の仲間に田舎者呼ばわりをされた。だが今や名古屋言葉が東京に浸透している。コーヒーのコメダも東京に進出し、ほとんどの都民に知られるようになった。名古屋が強くなったのだ?!

 東京に着いて、地下鉄の職員2人に「森美術館へ行くにはどうすればいいか」と尋ねたが、2人とも知らなかった。都民でもあの森ビルにある森美術館を知らないなんて、とお上りさんである身としては少し安心した。まあ美術関係者なら知っているはずだろうが。ただ情けないことは、名古屋の絵描きでも10人中1人位しか森美術館は知らないだろうということだ。「山彊先生の生徒さんでもそうですか」。僕の生徒達はやる気がある。アートを知ろうとしている。ただ描いておればいいと言う日曜インチキ画家とは違う。僕でも即答できない質問をされることもある。

撮影許可の彫刻作品
 さて森美術館だが、この美術館は現在日本で一番進んでいて、有名で権威もあるのではないか。そこで会田誠展が行われている。写真右:会場でここだけ作品を撮っていい彫刻作品
もし名古屋人が会田の出品作品を見たら「卑猥だ。幼稚だ。あれは絵じゃない。降ろせ、降ろせ」と絵描きを含め全ての人が言うだろう。名古屋は今でもまだ、特に美術分野においては、保守的伝統から解放されていなのだ。先日終わった「日展」にたくさんの人が出掛けることで分かる。数年前福岡で観た「日展」はガラガラだった。「山彊先生、前から気になっていたけれど、いつも名古屋をけなしまくりますね。恨みでもあるんですか」。あるに決まっている。大学を出て、ついでに公募展も止めてから、叩かれまくった。公募展に入っていないと絵描きと思われないし、キャンバスに油絵具でないと絵と思わないのだ。

会場入口赤提灯
 それらの連中が会田誠展を見たらどういうだろうか。写真左:会場入り口にある巨大な赤提灯
会場の入り口に吊るされた超でかい赤提灯。「あれは飲み屋の看板で芸術じゃない」と彼らなら言うだろう。美少女と言う字に向かってセンズリをかます作者の実映像。「三流のポルノ写真以下だ。性犯罪だ、降ろせ」と美術館や警察に訴えるのではないか。かつて僕等はゴミ箱にあるような物をビニール袋に入れて出しただけで、ゴミであり芸術作品ではないと美術館側によって会場を閉鎖されてしまった。名古屋の親分絵描きがそう要求したのだ。ひどい街だ。

18歳未満禁止もあると言う告示写真右:18歳未満入場禁止場所があるという告示
 だが同時に彼等は権威に弱いから、超金持ちが住むステータスな六本木ヒルズにある美術館の作品というだけで観る前から、「すごい作品ですね」、と言うのではないか。名古屋の絵描き達の感想が聞きたいものだ。
 「山彊先生、いつまでそんな怨念を背負っているのですか」。この怨念があったからこそ、今でも美術から、名古屋から逃げてないのだよ。

 話が少々それて、会田誠展の内容そのものについてふれることができなかったので、展覧会の作品や感想については、次回に述べさせていただきたい。


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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