‘龍の瞳’にカビ & 山田彊一作2013年カレンダー

「龍の瞳」にカビが生えた
僕の来年のカレンダー


普通の米と龍の瞳
 少し前に、高級米「龍の瞳」を知人から戴きました。すごく大粒でもちもちしておいしい米です。焚き上がった後その米粒の大きさにびっくりさせられました。これを夫婦二人だけで食べるのはおしいと思い、お客が来た時一緒に食べたりしましたが、その後しまっておいたら、数ヶ月間忘れてしまっていました。
 昨日、気が付いて出してみたら、なんとカビが生え薄黒くなっていました。写真右:薄黒くなった「龍の瞳」(右)と普通の米(左)
夫婦ともが清洲越しの名古屋原人にはこんなことが日常茶飯事です。高級な饅頭を戴いてもお客さんに出すようしまっておいて、結局期限切れになってしまいます。だが僕等は嬉しいのです。他人に出せないとなれば、自分等で心おきなく食べられるからです。
縁側に乾された龍の瞳
 「龍の瞳米はどうなったのか」。縁側に乾せばカビも少しはとれるのでは、というのが妻の主張で乾してあります。
写真左:縁側に乾してある「龍の瞳」米
あと、米を研ぐ時にしっかりカビが無くなるまで研ぐから大丈夫などと妻はぬかしています。どこまでも名古屋人です。これからしばらくはカビ米を食べさせられそうです。(ひょっとして妻はわざと忘れたふりをしてなにかたくらんでいるのかも???「この糞亭主、私を日頃搾取しやがって」ということか)

 いいこともあります。この光景で、僕は小学校の頃を思い出し、今を有難く思えるからです。当時我が家にはサツマイモと並んでよくお米も乾してありました。お米を焚く前には、米をお盆の上に載せ、目を皿のようにして混入している小石を除くように言いつけられました。いい加減にやると石が残っていて、食事中にジャリッと音がします。そんな場合、おふくろによく叱られました。
 戦後の食糧難の時代で、当時我が家の庭、300坪程のすべてにサツマイモが植えてあり、サツマイモは乾してイモ切干にして食べたりしたのです。この300坪ほどの庭はうちの借家が建っていたのですが全て空襲で焼け、イモ畑と化したわけです。たくさん取れて食べきれないとトラックで業者が買いに来たこともありました。イモ切干以外にご飯に混ぜたりして食べました。イモの入っていない米だけの白米が食べられたらといつも思っていました。そんなわけで今でも僕はサツマイモに対しては食傷気味です。
 お米だけで食べられるようになったのは、僕の高校生の頃。それまでは麦やサツマイモ、ジャガイモ等が常に入っていました。大根の混入時はべとべとしてものすごくまずかった思い出もあります。でも我が家だけがこんな食料事情だったのではありません。昭和20年代は食料が無く、家財や着物などを売って食料に変えていたのです。だから僕らの魚釣りも今のように趣味や遊びなんてものではなく食料確保だったわけです。大変だったけれど懐かしい思い出でもあります。

カレンダー表紙 さて、もう一つ最近の出来事。企業の依頼で私の描いた絵の来年のカレンダーが出来上がりました。写真右:カレンダー表紙
僕は大学1,2年までは風景画を中心に描いていました。なかなかうまいと教授にほめられたので、同じところに留まらず、新しい分野を開拓しようと、3,4年は抽象画を描き、その後はさらに様々な技法に取り組みたいと、餓鬼草子のシリーズなどを描きました。30代からコンセプチュアルアートとしてのパフォーマンスアートなどをやり、何でもトライしてみようという精神で、様々な表現方法で現代アートをやってきています。

 今回のカレンダーは僕の原点の風景画です。僕が風景画を描くと、「現代美術をやってるのに風景画?」と現代美術の絵描きからは軽蔑の眼で見られるかもしれません。しかしいろいろな技法やアート思考を経験したうえで描いたものは、その絵に深みや個性が出ると僕は思っています。ですから今回のカレンダーの依頼は、風景画でやってほしいとのことでしたが、僕は何の違和感も無く快く引き受けました。

南木曽ミツバツツジ夏の御獄山
写真左:南木曽のミツバツツジ             写真右:夏の御嶽山

 よく周囲を見ていると、風景画家は風景画しか描けないからそのことにこだわっていて、また抽象画を描いている者はそれしか描けないから抽象画を描かざるを得ないというのがほとんどのような気がします。「レオナルド・ダ・ビンチを見よ」と言いたいですが。画家の評価は何をどう描いたではなく、その生き様が作品に凝縮、表現されており、それがいかに人を感動させるかどうかだと思っています。だから、僕はあまり気にしていません。写真右下:恵那峡と紅葉

恵那峡と紅葉

 さて僕のカレンダーですが、もし欲しい方があれば、10名の方に差し上げたいと思います。来週の火曜日(12月11日)、10時から1時まで、僕は愛知県美術館8階の「スペースショウ」展にいます。美術展会場に来てくだされば差し上げます。先着順で10名までですが、よろしかったら取りにいらしてください。


 
 
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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