山田彊一講演 一宮「モーニングサービス」と「草花アート」

山田彊一  一宮市で講演
「モーニングサービス」「草花アート」

 モーニングサービス、日本一の一宮市での講演を依頼された。そこで僕もサービス精神を発揮して、たくさんの賞品を抱かえ講演に出掛けた。講演の途中でクイズを入れながら話を進め、正解した人に賞品を渡して聴衆を盛り上げようというわけだ。まあコーヒーを飲む間に食べるおつまみのようなもの。クイズの一例を挙げると「名古屋地区以外にコーヒーにおつまみのつく唯一の国と地方名は?」と言ったような質問だ。答えはスペインのアンダルシア地方。ピカソの生まれたマラガもこの地方に入る。ここのおつまみはクッキーの上に小魚の燻製等を乗せた品である。名古屋で生まれ育った僕は、喫茶店でコーヒーを注文すれば必ずおつまみが付いてくるものと思っていたが、日本の中でもこの地方だけだと分かり、驚いたけれど、マラガへ行ってコーヒーにおつまみが出た時はさらにびっくり仰天だった。これが僕が『ピカソはやっぱり名古屋人』を書くきっかけとなった。
 「山彊先生はものすごく面白く話すから、話の最中、誰も寝ていません。だからお土産用の品なんていらないんじゃありませんか」とよく言われるが、僕はモーニングの発祥地の名古屋人。名古屋では他家を訪問する時に必ずお土産を持参するのが常識となっているから、手ぶらではいけない。

モーニングサービス
 さてここ一宮のモーニングは、コーヒーいっぱいの値段で卵やトーストは勿論、サラダやケーキ、さらに茶碗蒸までも付く。写真右:モーニングサービスの一例
この一食で一日過ごす人もいるとか。発展途上国だったらこれだけあれば十分だろう。こんなにいっぱいサービスが付いていても「仏様に供える仏壇のおぶくさまがあれば、言うことないけど」という客もいるとか。先祖にまでモーニングを、ということなのだろう。日本の中で一番日本らしく、ケチの農耕民族の尾張地方の面目躍如と言ったところか。新聞は朝刊だけ取り、スーパーの特売のチラシを狙う。まだ冠婚葬祭が派手で今でも結婚式の折り、二階から菓子をばらまく習慣も残る。そのためか家族の団結が強く、家族崩壊はなく、育児放棄や小中学校のいじめも少ないのではないだろうか。
 よき昔が残るここでの講演は、ギャラが少なくても手ぶらで行ってはいけないのだ。参加者もそのつもりで来ている。また我が家へ依頼と打ち合わせにみえる係の方も、必ず高級和菓子店の饅頭持参である。しかもその和菓子店は宮内庁御用達であったり、有名タレント推薦の店であったりする。でもその割に一宮人がへたくそなのは、自己ピーアールだ。今はユルキャラを使った街おこしブームが盛んだ。お隣の岐阜県の柳ヶ瀬は「ヤナナ」で頑張っていたが、つい数か月前には新たなキャラ「口裂け女」に変更している。一宮はそういったものがあるかないかも分からない。
 そこで僕が一宮に提案したいゆるキャラはモーニングをもじった「モーちゃん」。繊維の町でもあるからコーヒー色の布地にモーニングサービスの品々をかわいくを刷りこんだり、あるいはサービスの品々をかぶりものにしてもいい。全国ゆるキャラ大会には、モーニングサービスをこよなく愛するおばちゃん達48人がその服装で参加する。その名もIMB48(一宮、モーニング、ばあちゃん)きっと日本中で知られるのではないか。講演はピカソの関するものだけれど随所にこんな話も入れながら、楽しく面白く進んだ。 
 
菊とタンポポ
 さて後半の美術実習だが、これもケチ精神にあう教材を考えた。絵具を一切使わず、道端で積んできた雑草で色を塗るのだ。写真左:菊の花とタンポポの葉で色を塗ってみた。
孫を連れて公園にでも行った場合、この方法を使えば絵具の準備もいらない。もちろんお金もいらない。絵は絵具を使って描くものと言った固定概念を打破できる。固定概念から解放された発想ができると、今後、美術だけでなく生きるためのアイデアもどんどん出るようになる。この教材は世界中だれもやっていない。僕が23歳の頃、日本人アーティスト選抜14人ニューヨーク展に選ばれ、現代美術に革新を起こそうと思い始めた頃のアイデアだ。草の葉や花を擦れば絵具並みの色が出るなんて、誰も思いつかないらしい。コロンブス的発想で少し頭を軽くすれば、誰でも思いつきそうだが。今でも小中学校では、ほとんどの美術の先生が絵は絵具で塗るものと思い、教えてもいる。美術の時間が近ごろは少なくなって大変だと美術教師たちが言っているが、今のように教科書の通りの教材をやっていれば、効果も無く削られて当然だと僕は思っている。
制作中の方々
写真右:みなさん、真剣な雰囲気で作品創りをしている。
 どの人の作品もびっくりするほどうまく仕上がった。孫とでも公園に行ってこのような絵を描かせてやれば、おばあちゃんはものすごく尊敬されるのではないか。この発想を多方面に生かして今後の生活をエンジョイして頂けたらと願っている。



鮮やかな色合い
写真左:絵具のように色が付いているのが分かるでしょうか。
(一宮市尾西南部公民館にて)
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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