妖怪屋敷第21弾 『口裂け女』と街おこし

妖怪屋敷第21弾 
『口裂け女』街おこし

口裂け女
 山彊先生、妖怪は人々が作りだして、次々生まれて来るとすると、一番最近の妖怪は何ですか」。そうですね、この地域でいうと1979年に岐阜県で出現した『口裂け女』の妖怪でしょうね。
写真右:水木しげるも作っている「口裂け女」の銅像
加茂郡八百津町のお年寄りが夜中、母屋の外にある便所に向かったら、そこに口の裂けた女が立っていて、お年寄りは腰を抜かしてしまったという妖怪だ。この時この老婆はきっとまだらぼけになっていたのではないかと僕は想像する。幼いころ祖父母らから「夜遅くなるとこわい口裂け女が出るから、夜外に出てはいけないよ」と言われ子供心に恐怖心を抱いたことがあり、その記憶が甦ったのではないか。痴呆症になると、最近のことは忘れても、幼い頃の記憶が突然現れるというから。口裂け女は化け猫から変身した妖怪だと思われるが、よく似た妖怪は全国にいる。明治期の滋賀県に『おつや』と呼ばれた口裂け女らしき妖怪もいたらしい。半猫、半人間であったのだろうか。

 さて、口裂け女を見たというお年寄りの話を、年寄りの世迷言と思わずに、家族は周囲の人々に話したのではあるまいか。それを又聞きした岐阜日日新聞が面白半分の記事にし、さらにそれを読んだ朝日の記者が庶民性のある話で話題になりそうだと、『週刊朝日』の記事として取り上げることになった。これが爆発的な話題となって、日本全国に知られるようになった。すると日本のあちこちで口裂け女を見たという人が続出した。こういう現象はよくあることで、都市伝説が流行りだすとパワースポットなる場所が随所に出現する。今、中学ではいじめが問題視されているが、当時、この口裂け女の流行で、このあだ名が付けられたりした女の子は不愉快な思いをしたのではないか。

柳ヶ瀬商店街
 ところでなんとこの『口裂け女』を岐阜の柳ケ瀬商店街は今年(2012年)7月に街おこしに使い始めたという。写真左:柳ケ瀬商店街の様子
空き店舗はそれぞれ化け物屋敷にしたとか。商店街のシャッター化が問題になって、何処でもいろいろ工夫している。可愛い名前を付けたゆるキャラ等が登場しているが、口裂け女のキャラはいったいどんなのだろう。柳ヶ瀬では『やなな』という製作費1万円で段ボールだけをかぶったようなゆるキャラが登場していたが、どうもそろそろ引退らしい。これに代わって『口裂け女』を登場させるのか。この柳ケ瀬には東海地方にただ1軒だけになったストリップ劇場もある。ストリップ劇場で口裂け女のストリップショウを出してもいい。「ところで、恐怖と性的欲望の関係は比例するのですか。比例ならいいですが、反比例ならお客は入りませんよ」うーーん、僕なら反比例だが。でも世の中フケセンとかデブセンもあるからバケセンもあってはいいのではないの?


大須コスプレサミット2012 商店街のシャッター化と言えば名古屋の大須も例外ではなかった。大須で育った妻の母によれば、戦前は、夜の12時頃でも大須観音のあたりの街通りは人がいっぱい歩いていたそうだ。当時は栄より大須の方が中心繁華街としてにぎわっていた。それが60-70年代になるとアーケード街も閑散としてきて、数多くあった映画館なども閉鎖していき、現在では全くなくなってしまった。しかし、アメ横が大須に進出してきてから、徐々に街が再活性化し始め、現在では東京の秋葉原に似た存在になっている。コスプレやメイドカフェ、リサイクルショップなども多く、また日本的な観音様や神社等もあるので外国人も集まる街になっている。写真右上:大須コスプレサミット2012 大須観音前
でもここでさらなる決定打として、僕が前のブログで提案したように、猫による街おこしも並行してやったらどうだろう。

 これはまだ商店街の一部の人しか意識していないが「矢場の化け猫話」や「おからねこ」、5mもある新天地の招き猫、それに毎年開かれるコスプレ大会等、猫に繋がるものが多いからだ。大須の街を歩いていると、商店の店先に猫の置物が置かれているのをよく目にする。皆さん猫の登場を願っているようなのだ。猫は柳ケ瀬商店街の口裂け女より集客力はかなり勝るのでは。可愛いし、女の子はうさぎと並んで猫好きだ。女性は飼い主(主婦にとっては夫)を気にせず、自由に飛び回る猫に憧れを抱くのだろうか。

幸せ猫猫の置物
写真上:大須の街中にあるねこの置物たち

 猫にはキティちゃんのような可愛いイメージのほかに、化け猫といったような怖い魔女的なイメージもある。以前大須観音の北には旭遊郭と呼ばれた女郎屋街があった。女郎と言えばあの行燈に映る化け猫のイメージにもつながる。また西洋では黒猫は魔女の化身とも考えられている。西洋中世ではキリスト教の純潔、貞操の教えを徹底するために、性欲をそそるような女を魔女として殺しまくった。後家さんがよく魔女狩りの標的にされた。その折り黒ネコも魔女の化身として塔の上から投げ殺されたという。やはり西洋も猫は女として扱われている。 

 様々なイメージで語られる猫だが、そういったものを全て取り込んで猫を大須のイメージキャラクターとし、さらに大須が発展するのを願っている。とりあえずビエンナーレとかトリエンナーレで猫をテーマにした美術コンクールをしてみたらどうだろうか。出品料を取っても全世界から応募者は集まると思う。猫好きは見物者も含めて何らかの形で参加したがっている。


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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