コメダコーヒー 第2弾 『カンブリア宮殿』村上龍のコメントは間違っている?

コメダコーヒー 第2弾
『カンブリア宮殿』村上龍のコメントは間違っている?

 先日我が家にアメリカ人たち3人がやって来て、妖怪の話で盛り上がり、僕の作った料理も多すぎて半分残った。パックに詰めて渡したらすごく喜んで帰っていった。彼らは僕の妻に日本語を習っている20代の若者たちだ。一人のアメリカ人は母がハーバードを出て民族学をやっているといい、僕が外国へ旅行した時に買ってきて、我が家の客間に飾ってある30個ほどのお面を、ほとんどどこの国のものか当てる事が出来た。すごいのは3人とも、僕の作品が載っている講談社の全集を見せたら中に出て来る作家の名前をほぼ知っていたことだ。フランシス・ベーコン、ニキ・ド・サンファール、ベルナール・ビュッフェ、ジャクスン・ポロック等だ。日本人の絵描きに聞いても知っているのは1割もないだろう。

コメダカップでコーヒーを飲む僕 彼等は9時半ごろ帰ったが、そのすぐ後、東京の娘から「今テレビでコメダコーヒーをやってるけれど見てる?」と連絡が入った。以前コメダについて書いた僕のブログを覚えていて関連があるからということで教えてくれたわけだ。番組は村上龍による『カンブリア宮殿』(テレビ愛知)だ。コメダコーヒーが全国展開に入り、ものすごく流行っている、このノウハウを研究しようという番組だ。コメダのトップと村上龍のやりとりで始まる。
 こういった特許の取れない水商売は、直ぐアイデアを盗まれライバル店が出て来る。それが堂々とテレビで内容を語ることはあり得ないのではと思って見はじめた。牛丼の吉野家もやり方を知られたから、すき家、松屋とライバルが出現し危うくなっている。経営の手の内を教えたらコメダも同じ運命をたどりはしないかと、僕は心配したのだ。それなのに経営のノウハウをコメダのトップは語ろうとしている。
 番組ではコメダが伸びている理由として①駐車場が広い、②店内が広く開放感がある、③何時間いても嫌がられない、④フランチャイズで大きいから食材を安く仕入れられる、⑤近所のおじさんおばさんが気軽におしゃべりにやってこられる、⑥一日中客層が変わり客が絶えない、⑦オーナーがほぼフランチャイズ制でよく努力している、とまとめてあった。新聞のテレビ欄には『客殺到!“名古屋発“懐かしの喫茶店コメダ、長居OK380円で満腹、通いたくなる感動接客』と載っていた。

 さあここで僕の分析だが①~⑦の全ては確かにあたっている。どこのコメダへ行ってもゆっくり気軽にくつろげて客の入りもいい。しかしもし何処か大手の喫茶店経営者が同じようなことをやり出したら、直ぐに牛丼屋と同じ道をたどりそうだ。村上龍はしきりと人間味のある懐かしの商法ですごいと話をまとめていた。けれど‘人間味のある懐かしの’なんてのは名古屋では当たり前で、喫茶店商売を始めた人はほとんどが自分の家を改造し家族中心にやっていた。井戸端会議喫茶店なのだ。問題はその中からコメダだけがなぜ大きく伸びたかなのだ。つまり①~⑦以外にコメダがヒットした要因があるはずだ。ひょっとすると彼や番組のスタッフは製作費を安く仕上げるため、名古屋へ取材に来ていないのではないか。
 以前のブログでも書いたが、コメダの米屋は僕が中学生の頃通った大曽根中学の途中にあり、40年後その社長の加藤太郎さんの娘を、今度は僕がその大曽根中学の美術の教師になり教えている。しかも彼女は僕が顧問をしていた美術クラブの部長だった。僕が中学教師を早めに退職し、名古屋芸術大学に移ったら、そこへまた彼女が入学してくるという不思議な縁があった。それに今、その大学の親たちで作る芸術家集団『壁の華』へも招かれて教えにいっているが、その『壁の華』のリーダーがかつてコメダの秘書を勤めていたのだ。彼女は超美人で字がものすごくうまく、人の気持ちをよんで誰からも好かれている。だからこの会は30人近くに人数が膨らみ、描く作品も学生らより上手ときている。要はやる気がある人たちなのだ。彼女はコメダに勤めていた時もこのやる気とリーダー性を発揮してコメダを成功に導いていたのだろう。写真上:コメダの美人秘書から頂いたコメダのカップでコーヒーを飲む僕
 コメダの娘も色白でとても可愛い子だった。いつもニコニコとし、仲間の悪口を言ったことが無い。親もきっと思いやりのある性格だろうと推測される。コメダの原点はこの人間性ではないかと思われる。上記の③何時間いても嫌がられない、⑤近所のおじさんおばさんが気軽におしゃべりにやってこられる、⑥一日中客層が変わり客が絶えない、等はコメダ創始者の性格からくる接客態度のよさに起因しているのだろう。

コメダと普通のカップ(横)
 けれどこれだけでは伸びない。こういったソフト面以外にハード面のノウハウもあるはずだ。その一つが先回のブログでも書いたが、コメダのコーヒーのカップがかなり大きいことだ。写真左:コメダのカップと普通のカップ つまり一杯のコーヒー量が小さなカップで出す喫茶店より多い。「ケチでつつましい名古屋で生き抜くには、商品を売る場合、安いか、量を多くすることだ」と、この地で一番大きな熱帯魚屋をしている社長から教えられたことがある。コメダのコーヒーは決して高くない、安いと言ってもいいかもしれない。(東京の価格基準でみると安く、名古屋では普通)さらにモーニングサービスもある。それなのにコーヒーの量が多いということでお客にとってはお得感が非常に高くなる。
コメダと普通のカップ(上から)
 しかしよく観察すると微妙な裏がある。このカップは非常に分厚く作られている。陶器の厚さが約5~6mmある。だから外側で見れば大きなカップだがうちのり、すなわち容量はさほど多くはない。しかもカップの下が台座になっているような形だから下までコーヒーが入らない。ある意味で上げ底と言える。しかし一見したところは大きなカップだ。さらに全国展開する直前にカップは以前より少し小さくなった。かつて砂糖が高くなると、キャラメルの上の格子状の溝を深くしてキャラメルの値段は上げずに対処するという話を聞いたことがある。一杯についてはほんの少しでも全体で見れば大きな違いが出る。名古屋人のお得感を上手に利用している。
コメダと普通のカップ(下から)
 それじゃ、せこいじゃないかと思うかもしれないが、この肉厚のカップの良い点がある。コメダコーヒーのカップの飲み口が太く、柔らかい曲線になっているのは意味がある(と僕は思う)。そこに口を当ててコーヒーを飲むと、柔らかな感触がまるで懐かしいおふくろの乳房をしゃぶっているように思えることだ。「またまたー、それは山彊先生だけじゃないの?おふくろとか何とか言って別の女性だったりして」 ドキッ!まあ、僕はかつて6,7年に渡ってスポーツ紙に週2本の艶笑エッセイを連載していたし、大学では美術心理学も教えている。だからそれほどはずした解答ではないと今でも思っている。我が家へ来た客にこのカップでコーヒーをだすとほぼ全員、「おいしいコーヒーですね」とほめてくれる。

 僕の考え以外にもコメダのトップが語らない企業秘密があるのかもしれない。
残念なことにコメダは数年前に、あまりにも多くなり過ぎたフランチャイズの店を仕切るのが難しくなってその権利を100億円?で売却してしまったという噂を聞いた。
 いずれにせよコメダは雰囲気が良くておいしいからこれからもがんばってほしいというのが、僕を含めた名古屋人の願いだろう。


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始めまして。コメダの初期のコヒーを今でも作ってる店が天白区にあるそうですが、御存知でしょうか。今のと違って苦味があるそうです。
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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