「はるひ絵画トリエンナーレ展」、「三重県展」、「風の游子展」

「はるひ絵画トリエンナーレ展」、「三重県展」、「風の游子展」

はるひトリエンナーレ
 「はるひ絵画トリエンナーレ展」、「三重県展」、「風の游子展」を見てきた。
 「はるひ絵画トリエンナーレ展」は5月3日~6月10日まで清須市はるひ美術館で催されている。写真右:はるひ絵画トリエンナーレ展
 名古屋近郊の片田舎なのに、よくこれだけ頑張って新しい美術展を継続していると思う。7回も続き、最初は100人ちょっとの応募しかなかったのに、今は応募者が500人を超えている。全国からのこの数の応募はすごいと思う。腰を据えじっくりやってきた成果なのであろう。またはこの街がそれだけの勢いを持っているのだろうか。
 この美術館の帰りに、すぐ近くにある僕が元教えていた名古屋芸術大学にも寄った。学生達に「はるひトリエンナーレ展、見てきたかね?」とアトリエを回りながら尋ねてみた。驚いたことに見に行った者は一人もおらず、この美術展のあること自体誰も知らなかった。就職難のこの時代、希望を無くしている学生達に少しでもチャンスをつかめるように、先生達は学生の後押しをすべきだ。賞金も100万とすごい。学生の励みにもなる。同じ地区でやっているのに、何故この展覧会のあることを先生達は教えてやらないのか、何故出品するように勧めないのか。先生の怠慢ではないか。はるひの美術館側も何故、近くのこの芸大に宣伝に行かないのか。何かどちらもおかしい気がする。
 ここの入選作はまあまあレベルが高く、見ごたえがあるが、若者がよく描く奈良美智や村上隆調の作品がないのはどうしてだろうか。審査員が今の動きについていけなくなっているのか。ひょっとするとそれを見越して学生たちが応募しなかったのか。いや誰も知らなかったからそうではあるまい。先生に似て、どうでもいいのだろうか。厳しい時代だからこそ、あらゆるチャンスに貪欲に挑戦してほしいと僕は思うのだが。

三重県文化会館
 「三重県展」(5月19日~6月3日)も僕の生徒が入選しているので見に出かけた。写真左:三重県文化会館風景、この後、カメラを撮るなと係に叱られた。
 愛知県にはもうこのような県が主催する美術展は無い。美術を役人が仕切ってやるなんて、時代錯誤も甚だしいと、何十年も前に切ってしまった。それに代わって例えば名古屋では規模を小さくした、素人相手の区民展になっている。三重県は戦後の大きな芸術運動にも取り残され、昔の美術展が続いているのだろうか。その証拠に僕が会場で写真を撮っていたら「会場ではカメラは禁止です」と係の女性に言われた。
 僕はこの数年ニューヨークやワシントン、パリや北京等の美術館に入っているが、一度も撮影禁止だったことはない。禁止の美術館もあるが、それは何億円もするイギリスの水彩画中心の作品展示がなされているところで、フラッシュ等の明かりで色が変色してしまう場合だ。フラッシュをたかなければ許可される場合が多い。三重県展はそんな作品はどこにもない。係も分かっていると思う。はるひ美術館も一応カメラの禁止をうたっていたが、係はその矛盾を知っているから、僕が撮っても注意はされなかった。
 ところで三重県展だが山脇一夫さんや櫃田伸也さん、村田眞宏さんといった現代の美術に詳しい人が審査員で、入賞作品に選ばれたものは、まあ納得できた。しかし入選作品に関しては、洋画部門など激戦で、半分もない入選確率だと言うことだが、それにしてはすごく古い作品群ばかりであった。三重県という県民性なのか。かなりレベルの高い全国コンクールで入賞や入選をしている僕の教え子達が入選だけだったのは不満だが、仕方があるまい。

風の游子展
 同じ日の帰りに名古屋の栄にある市民ギャラリーへ宮内明男、草野二郎、塚原徹也、藤墳富弥、古川幾男、水野種冨氏等の「風の游子展」(5月22日~27日)を見に寄った。写真上:栄・市民ギャラリー「風の游子展」パンフ
 ここの作家たちは定年後の人たちが集まって、いろんな地域に旅行に行き、そこで見つけた風景を描いている。と聞くと三重県の入選作家よりレベルが低そうなのに、とんでもない。自分たちがそれぞれ信ずる個性ある作風を確立している。何しろうまい。市民ギャラリーでの展示といえば、一般には、ただまともに絵具を乗せただけの見るに堪えない作品か、イギリスの風景画の真似をした一見うまいけれど、人真似作品がほとんどだが、彼等の作品は群を抜いていた。かといって超個性的な何が描いてあるのか分からないようなアートではない。彼等は歴史に残ってやろうとか、ピカソのようになろうという野望があるわけではなく、一応庶民も理解できる中での思考を模索している作品創りなのだ。一度風景画を描いてみたい人、是非見に行かれるといいと思う。6人が6人とも画法を変え、創造性のある作品に仕上げているから。


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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