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ランス美術展開催の旅

ランス美術展開催の旅

オペラ座近くで起きたISの5人殺傷事件の場所に前々日いた!
パリの店での詐欺とソウルの税関での騙し


 8日間のランス、パリ旅行の間、美術展以外でいろんな事件が起きた。様々な出来事をちょっと紹介させていただきたい。

テロ事件を知らせる新聞
 ①テレビや新聞でも報道されたが5月12日の17時頃、パリ中心部のオペラ座近くでISによるテロ事件が発生し1人が死亡4人が負傷する事件が起こった。犯人は駆けつけた警官に射殺されたが「神は偉大なり」と叫んでいたという。
写真右:テロ事件のニュースを伝える5月13日中日新聞

 実はこの2日前の同じ時間帯に、僕といとこで元校長の和一君は調子の悪い女性を伴いながらまさにその近くにいた。すると突然パトカーが4台繋がって走り、街角には20人程の警官が盾を持って待機していたので、僕は何事が起きたかと驚いた。その2日前のこの時間帯も仲間22人とオペラ座前で食事をしていた。

 日本へ帰ってすぐISのテロ事件のニュースを知り、あの時の事かと思ったが、事件が起きたのは僕等がいた二日後だった。場所は全く同じだ。ということは、テロリストの動きが僕等がいた時にもあり、それをいち早く察知した警察が部隊を出動させ、テロは未遂に終わったのかもしれない。似たような事件があの時も起こりかけていたのでは?と思われる。いつ我々が巻き込まれてもおかしくなかったわけだ。ニュースで聞くだけの遠いヨーロッパの事件が急に現実味を帯びてきた。常に注意を怠ってはいけない。

 ②さて何かあったのかなと思いながらも、僕等はオペラ座から凱旋門に向かって歩き出した。同行していた女性がトイレに行きたいといったからだ。コンコルド広場脇のモダンな2m平方の筒状の一人用自動トイレ(写真下)を見つけ、使っていた人が出てきたからすぐに入るよう彼女に促した。

パリの無料トイレ (300x213)
 その1分後、彼女がまだ用を足している最中にドアが自動で開いてしまった。驚いた彼女は立ち上がった。僕といとこはドアの前に立って隠そうとしたが、ドアは1メートル以上大きく開き、広すぎて隠せない。その後何かの誤作動か、よくわからないが扉が閉まり彼女はもう一度用を足そうとした。また1分後便器に座っているときドアが開き、また彼女は立ち上がる羽目となってしまった。
 これを3回繰り返した時、近くの人が教えてくれた。このトイレは使用後、一度閉まって1分間自動的に掃除され、又開く仕組みであるという。彼女は3回も清掃の時間帯に入ってしまい、1分後ごとにドアが開いてしまったのだ。まるでチャップリンの喜劇を見ているようだったが、若い子だったら恥ずかしさのあまりセーヌ川に飛び込んだかもしれない。

 ③モンマルトルでは、丘から下るとたくさんのお土産屋がある。大須の絵描きの馬場さんは気にいったワッペンを6個買った。これは僕も確認していた。ところがホテルへ来て調べたら5個しか入っていなかった。袋に入れる折、1枚をぬかれたのだ。勿論お金は6個分払っている。こんな詐欺、外国では日常茶飯事的だ。

写真下左:モンマルトルの丘、正面にサクレクール寺院が見える  右:観光客でにぎわうモンマルトルの丘を降りた商店街
モンマルトルの丘 モンマルトルの商店街

モンサンミッシェル
 ④モンサンミッシエルではこんなことがあった。メンバーの一人がカメラを落とした。それを拾ってくれた男性が、自分に返してくれると思ったら、そのまま持っていってしまったという。そのことを僕に告げたので追いかけようと思ってどんな人だったか尋ねたが、忘れたという。もうどうしょうもない。何をしても周囲の男性が助けてくれると思っている日本の女性は反省すべきだ。彼女、朝起きるとご主人が食事の準備を全てしていてくれるという。なんとそこに原因があったのか!
写真右:モンサンミッシェルに到着

モンサンミッシェルの教会の上から
写真左:モンサンミッシェルの教会の中庭から見降ろした干潮時の海
 この島の上から海を見ていて日本の未婚男性のために僕が思いついたことがある。同伴の女性がいて口説きたい時、島の入口にあるレストランでまずお茶でもして休憩し、そこのボーイに1万円程渡し、干上がった海辺に大きく「結婚してください、花子♡!」と書くように頼んでおく。レストランを出て山を上り山頂から何も知らない彼女に見せる。なんと広大な水の引いた海に自分の名が記されている!!!
 
 こうすればまずプロポーズは成功するのではないか。帰りにまたそこのレスランに寄って食事をし、ボーイにお礼を言えばいい。フランス人のボーイが日本語を書けない場合は、Je t’aime, Hanako!などフランス語で愛の告白の言葉を書くように頼めばいい。山頂で日本語に訳してあげれば相手はもっと感激するかもしれない。これと同じような僕のアイデアをNHKの中学生日記で使わせたことがある。

ランスのホテル
 ⑤ランスでは20人程しか泊まれない四つ星老舗高級ホテルに宿を取った。
写真右:ランスで僕等が泊まった四つ星老舗高級ホテル
食事も部屋の雰囲気も抜群で文句はなかった。ところが絵描きの2組の夫婦から苦情が入った。ベッドがダブルで困るというものだった。小さなホテルでは余分な部屋はない。ホテル側は夫婦ならダブルで文句がないだろうとして引き受けたのだ。夫婦のどちらかが本当に嫌だったとしても互いに遠慮してホテル側に申し出ない筈だ。日本の夫婦はどうなっているのか。

ホテル内部
 以前老後の本を友人の精神科女医と出すためスエーデンやデンマークへ取材旅行をしたことがある。そこで僕は街行く人にインタビューをしまくった。それによると夫婦者はほぼ全員がダブルベットで寝ていると答えた。ツインになったら離婚のシグナルであるという。どちらかが亡くなっても思い出のためベッドは死ぬまで同じものを使うとも言っていた。「いびきがやかましくないですか」の質問に「健康の証拠で聞こえなくなったらより心配だ」と言われたものだ。
写真左上:歴史を感じさせる老舗ホテルの内部

 日本人はどうだろうか。好きでなくてもお金のため別れないのだろうか。その日本の画家夫婦はやむなくダブルベッドで寝たが、翌朝、「妻に蹴飛ばされベッドから落ち、足がおかしくなった」と僕に旦那が告げにきた。奥さんに言わせると遠慮して端っこで寝ていた夫が勝手にベッドから落ちたとのこと。

 ⑥最後は帰りの韓国インチョン空港での事件だ。パリのドゴール空港の免税店でワインを購入した。チケットを見せたら税関がパスできる証明書を書いてくれ、僕はその証明書をワインのバッグの中に一緒に入れておいた。ところがインチョン空港では没収だと告げられた。パリでいいと言われたといっても全然応じない。昨年モスクワからの帰国時、同じようにウオッカを持ち込んだが、同じこのインチョン空港ですんなり通った。ウオッカは安いから取り上げても売れないからか、ロシアは怖いからだろうか。実はこの時、検査官が僕のワインバッグを一瞬奥の部屋に持って行った。その後パリの免税店で書いてもらった証明書が消えていた。それを言ったら検査官に「お前はドロボーだ」と言った事になり、警察に連行されかねないので抑えた。
 交渉を続ける僕に、メンバーの一人が「山田先生、そんなワイン1本で目くじら立てて恥ずかしい。辞めなさい」と怒鳴った。お金の問題ではない。僕は不正があってもしかたなく引き下がる日本人が多いことにいつも怒っている。すったもんだの末、僕は折れてもう一度航空会社のカウンターへ行くしかワインは守れないと諦めチェックカウンターへ行くと、そこでもアテンダントに木箱に入れないと受け付けないと拒絶された。「木の箱なんて持ってる筈がない」とここでも押し問答をしていると上司が出て来て段ボールとテープで僕のワインを縛り、にこにこして「送ります。お金はいりません」となった。何でも諦めずやってみるべきだ。

 以前教え子の野中君を連れて韓国へお寺の天井画を描きに行ったことがある。今回のように大韓航空のチェックカウンターで通行を拒否された。チケット購入の折、彼の名前を僕は書き間違えてしまった。パスポートとチケット名が違うのだ。完全にアウトと思ったが「僕の住む町内に韓国の総領事の家があり、その娘が僕に絵を習いに来ている」と話したらすんなりOKとなってしまった。これは本当の話で大人しくてかわいい子だった。何でも諦めずにやってみるべきであることを皆さんにも知ってほしい。外国ではお金持ち日本人はだめだと言えばすぐに従うと思っている。「金持ち喧嘩せずだよ」と事あるごとに僕を諭す財団の堀会長。彼のように数千億の財産でもあればそうするが・・





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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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