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『名古屋妖怪三十六景』より ㉗「大須妖怪ええじゃないか」

『名古屋妖怪三十六景』より ㉗

㉗「大須妖怪ええじゃないか」
出現場所:大須界隈


ええじゃないか騒動
 慶応3年(1867年)の8月、大須観音の直ぐ南にある屋敷の庭に伊勢内宮の御札が舞い降りた。家人は「神様が降りてきた」「慶事の前ぶれだ」等と騒ぎ、御札は神棚に飾り、玄関にしめ縄を張った。それを見て押し掛ける人には7日間お酒や赤飯をふるまったという。これは俗に「ええじゃないか」騒動(写真右)と言われる現象ですぐさま大ニュースとなり町中に広がった。そして豊川、豊橋、静岡へと広がったという。(小学館、日本語大辞典より)

 同年の11月には大政奉還があり『岩倉公実記』によればこう言った騒動は「八月下旬に始まり十二月九日王政復古発令の日に至て止む」とある。ええじゃないか騒動は世直しを訴える民衆運動だという解釈もあるが、おかげ参りと違って短期間に集中し、しかもぴたりと止んでいる。やはり倒幕派が国内を混乱させるために引き起こした陽動作戦だったのだろう。

 この時期、尾張藩は付け家老竹腰派の佐幕派と、成瀬派や14代藩主義勝の勤皇派の対立があり、表向きは藩内の内輪もめという名のもとに、いわゆる青松葉事件(1868年1月)で佐幕派が一掃されている。

 もし僕が幕末に生きていて若い討幕派の下っ端武士だったら、やはりおかげ参りを利用したこのええじゃないか騒動を思いつくだろう。表立って倒幕運動すれば家族等周囲に災いが罹り、何が起きるか分からない。密かに倒幕運動を起こすために伊勢神宮の御札を作り、直ぐに騒ぎ立てそうな繁華街の大家の庭に投げ入れる。そこいらの猫でも捕まえて首輪に御札を挟んで庭にほりこんでもいい。騒動が広がれば幕府派が牛耳る藩の体制に揺さぶりをかけることができる。その後その足で豊川や豊橋、静岡、江戸と同じ行為を繰り返して倒幕の気運を盛り上げてゆく。

 今回の妖怪はそんな僕の願望をもとに描いてみた。武士(僕)の骸骨が猫を操り、問題の御札をばらまかせている。下では北斎漫画で描かれた人物がええじゃないか踊りで狂乱している。今回も大須がらみの話だから、猫と北斎に登場してもらった。


㉗「大須妖怪ええじゃないか」

大須妖怪ええじゃないか
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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