山田彊一 ニューヨーク妖怪個展を終えて 第二弾

山田彊一 ニューヨーク妖怪個展を終えて 第二弾

渡辺直美の新聞写真
 先回のブログでも、僕のニューヨーク個展に関連することなどを書いたが、今回もう少し付け足したい。
 ニューヨーク滞在中、日本からおデブさんタレントの渡辺直美が来て話題を振りまいていた。あの超デブスタイルで堂々と舞台で踊っていたと、観た人が言っていた。僕も現地の新聞で見たが、超太めでも見苦しいとは思えず、体と同様のはち切れんばかりの元気さが魅力的に感じられた。あの物おじしない自信満々の表情や動きがそうさせるのだろうか。
写真右:ニューヨークの日本人向け新聞に載った渡辺直美


タイムズスクエアでボディペインティングの女の子
 肥満が美の一つのジャンルになっているような気もする。というのはニューヨークで一番人が集まるタイムズスクエアーでも同じことを感じたからだ。ここでは若者がお金稼ぎを兼ねていろいろなパフォーマンスをしているが、ある時裸の体にアメリカ国旗の柄をボディペインティングしている女の子たちが通行人と写真を撮っているのを見た。写真上:タイムズスクエアーで

 遠くから見ると一見ビキニの様な服をまとっているように見えたが、全て絵具だった。数人の女の子がいたが半分以上はとても太っていた。そしてその子たちの方が人気があってより多くの人が彼女たちと写真を撮りたがっていた。一般的にスタイルが良いと言われるスマートな子は人気がなかった。僕も写真を撮るならデブちゃんの方が断然いいと思った。はち切れんばかりの体はそれだけでもショウとして大きな武器になる。

 僕が女子大で教えていた折、人生の生き方について常に学生に言い聞かせていたことがある。「もし自分を美人と思うなら、伏し目がちにしてあまりじろじろ相手を見るな。相手は安心して近づいてくる。もし自分がそれほど美しくないと思うなら決して相手から目を離さず話をしなさい。相手はあなたを美人ではないと思っていても、堂々と目を合わせてくる女性と接すると自分の評価が間違いで、本当は美しい人なんだと錯覚してしまうものだ」と。これがニューヨークの渡辺直美やタイムズスクエアーの女の子たちにも言えるのではないか。「私ほどグラマーでいい女はいない」と体も心も表現しているようだ。

個展会場で、武将隊の殺陣
 ところで個展会場でおこなった僕の講演(ギャラリートーク)には名古屋のおもてなし武将隊の徳川家康と足軽もやってきて盛り上げてくれた。黒い鎧を着て、殺陣のパフォーマンスを皆さんの前で披露してくれた。中々堂にいったもので感心させられた。
写真右:殺陣の演武を披露する武将隊

武将隊と一緒に


会場にいた子供たちは彼らと一緒に写真を撮ったりしておお嬉しだった。
写真左:武将隊と記念撮影

 武将隊と僕ら妖怪おばさん軍団はハロウィーンで一緒に行動することを目論んでいたが、最初に落ち合う時間の調整ができず、別々に参加し、パレード中に逢えることを期待した。だが会うことはできなかった。
 ハロウィンの日はパレード用に一定時間道路が封鎖され、車道は仮装した人のみ、見学者は歩道のみと決められ、間にはバリケードが置かれ警官がずっと立っている。車道と歩道の行き来はできず、車道を歩く仮装者は歩きを止めることはできない。人を探すことは不可能だった。

地下鉄構内で警官と
 我らおばさん妖怪軍団は白く塗った顔に薄緑のかつらを被り、草履と赤い着物を着て、胸には人形作家の宮本さん制作の妖怪人形を抱かえての行進だった。妖怪の胴体はビニールの手袋に空気を入れ千手観音のようにしたものだ。しかもLEDライトがついて不気味な人形の顔が光るようになっている。この格好で地下鉄構内に入ったらもうカメラのラッシュだった。ハロウィーンの行進が行われる場所の駅、キャナルストリートへはどの列車に乗ればいいかを構内に立つ警察官に尋ねたら、その取り合わせが絵になるらしくカメラの列ができていた。女妖怪が警察官に愛の告白をしているようにも見える。ニユーヨーク市警の強面の警官も妖怪とのコラボに結構喜んでいるようだった。
写真右上:警官たちと写真を撮っているとそこにパレードに参加する虎の扮装をした人も入ってきて

写真下:地下鉄電車内でも写真撮影を頼まれてを
地下鉄内で

パレード中写真撮影に応じる
 仮装者の集合場所に行くともう動くことが出来ぬほどのカメラの列で、妖怪おばさんたち、日本ならきっと恥じらいもあったと思うが、ここではそんなそぶりも見せずカメラを向ける人々にポーズをとっていた。
写真右:カメラのフラッシュの中でポーズをとる妖怪軍団
我ら妖怪軍団の皆さんは60~70歳のおばさん(?)であったが、その情景が様になっていたのは渡辺直美のような開き直りがあったからであろうか。
 
 名古屋おもてなし武将隊がどうなっているか気になったが、彼等もきっとフラシュを浴びたにちがいない。しかし名古屋武将隊のメンバーは家康役と足軽役の二人だけなのと、鎧やいでたちも地味な黒色、しかも夜なので目立ちにくい。僕らと組むとお互いがより目立ったかもしれない。我々はおばさん妖怪の4人に加え妖怪の首を竿にさし、おかめのお面をかぶった僕の妻や、甚平を着て鬼の面をつけた僕の6人編成、しかも怖い人形がライトに照らし出されるからより目立っていたと言える。

パレードに参加した人々
写真左:パレードに参加している人々 Keep Monsters out of the White House. Vote Jill Stein.と書かれたプラカードを持っている。ハロウィン当日はまだアメリカの大統領投票日前。トランプ氏がモンスターになっていた。




 武将隊は名古屋の三晃社の社員である堂原さんが中心にプロデュースして連れて来ていた。可愛い感じの女性で、男でも大変なのによくこれだけやれると僕は感心したが、僕だったらどうするかなとも考えた。今回の僕もそうだが「ニューヨークで個展をやった。すごい!」だけで終わらせず、ニューヨークの妖怪の最初の創造者を狙い、また話題作りのためにレディーガガに作品をあげたりとプラスアルファーを狙っている。平安時代や江戸時代に創られた妖怪が現代に残ったように、僕の妖怪も100年後に残ってニューヨークの街の伝説になるとうれしい。
 だから武将隊も名古屋ではやれないことをやってニューヨークに足跡を残してほしいと僕は考える。例えば緋毛氈を歩道に広げ、腹を出して切腹のパフォーマンスをする。‘腹切り’は世界的に有名だ。その後ろでは足軽役が刀を振り上げて介錯をするパフォーマンスもする。歩く折には足軽の持つ槍に血の滴る石田三成の首でもぶら下げて行く。これを地下鉄車内やトランプタワーの前でやったらものすごい人だかりだろう。間違いなく世界ニュースになる。この映像が日本のテレビで流れたら当然非難もあるだろうが、超衝撃的な話題となるだろう。槍の先にはついでに真田幸村の生首があってもよい。終盤に差し掛かったNHKの『真田丸』ともかかわって大ニュースになることは間違いない。
 このパフォーマンス、名古屋では不謹慎すぎると抗議を受けるであろう。以前名古屋まつりで秀吉と淀君を出したら「なぜ愛妾を出して、正妻のお寧がいないのだ」と抗議され、翌年から変わってしまった。お祭りなのにユーモアを許さない。名古屋は訪れたい街のワーストワンであるという。こういう面白さがないから名古屋はワーストワンなのだ。どうせ世界を廻って名古屋をアピールするなら、世界の人々をあっと驚かせるパフォーマンスをしてはどうか。それがしいては名古屋を盛り上げることにもなる。ワーストワンからの脱出を目指して、名古屋おもてなし武将隊、ガンバレ!


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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