山田彊一 講演 『名古屋をアートで面白く』

山田彊一 講演 『名古屋をアートで面白く』

鯱城学園講演パンフ
主催:名古屋高年大学鯱城学園
日時:平成28年7月19日(火) 午前10:00~11:30
場所:伏見ライフプラザ5階 鯱城ホール(中区栄1-23-13)


 私、山田彊一が名古屋の文化を面白く語ります。無料です。是非お出かけください。

 先日、ある大きな公募展に行ったらそのチケットやパンフに『公募展は日本の文化』と大きく記してあった。一見、そうかと思いかけたが、待てよ、何を言ってるの?今我々一般の絵描きが目指しているのは印象派から始まっている欧米のアートで、それは創造を原点とするアートのはずだと思った。
 一般的に言うと、日本の文化と言えば歌舞伎やお花お茶という世襲制または徒弟制の文化だ。『公募展は日本の文化』と言ったら「公募展はお茶やお花と同じ世襲、徒弟制の文化だ」と言っているようなものだ。名古屋人は芸能文化と芸術の区別ができてないと思っていたけれど、日本でトップクラスの公募展なのだからそんな志向ではないだろうとも考えた。それとも絵描き達が白痴化してしまったのか。待てよ、ひょっとしてこのでかい公募展の親分は芸能文化で育った名古屋人ではないかと思い調べてみたらやはりそうであった。名古屋は美術、芸術において今でも芸能文化を引き摺っている。世襲制から創造の芸術は生まれにくい。

 また先年、名古屋出身の有名な日本画家が「モネ等印象派は現代美術だった」と本で書いていた。今さら何を血迷ったことを言っているのだ。「人間のルーツはサルであった」と小学生でも知っていることを大発見の様に述べている。美術の歴史はカメラがでてきた事で終わったと19世紀の中頃、ささやかれたが終わらなかった。印象派が登場して写実的なカメラの様な絵を越える創造のアート、今の我々のアートが始まったからだ。こんなことは誰でも知っている。

 僕自身も名古屋人らしいおもしろい質問をされたことがある。「山田君、大阪でも賞をもらったらしいが、顔が広いね。大阪にも知りあいがいるんだ」と。彼、賞は縁故でもらうものと思っている。世襲制の歌舞伎やお花、お茶と同じと思っている。本人の実力とか努力の結果だとは考えないようだ。

 先月、僕が教えているカルチャーセンターの生徒さん二人が日本でも難関と言われる三重県美術展で大賞と岡田財団賞をもらった。小さな版画作品なのに大きな油絵に勝ってしまった。審査員がグローバルに評価できる三重県外の人だろうと思ったら、そうであった。三重県も名古屋と同じ東海地方なのに中々進んでいると感心して展覧会を見に行った。
 そこでもおもしろいことがあった。「写真を撮らせてほしい」と申し出たら、「芸術作品だからだめです」と言われた。そこで「入り口の外から撮るのはいいか」と尋ねたら「少しでも作品が入ったらだめです」と言われた。でも彼らの前で堂々とシャッターを押すと注意しに来るが、隠れて素早く撮ると分かっていても見逃してくれる。彼らも上から言われたことに従っているに過ぎず、なぜ撮影してはいけないのか分かっていないのだ。一度知りあいの美術館員がいたので、撮らせてほしいと言ったら「山田先生、聞かなかったことにして下さい。撮っていても無視しますから」と言われた。

 美術館などに於ける撮影禁止は、僕の記憶にある限り外国では一度も出くわしたことがない。去年行ったニューヨークのいろいろな美術館でもすべて撮影OKだった。ヨーロッパでも同様だ。しかるに日本ではほとんどの美術館で禁止している。理由の一つとして、1000年以上持ちこたえて紙がもろくなっている国宝源氏物語絵巻のようなものの場合、カメラの光が作品に悪影響を及ぼすということがあると聞いた。こう言った国宝級の美術品なら納得できる。

 しかしあきれたのは、愛知芸術家協会の展覧会でも写真撮影を美術館並みに禁止にしていたことだ。この展覧会は愛知芸術家協会に入れば誰でも作品を展示することができるおけいこごと発表会のようなものだ。撮影禁止にするということは自分たちは国宝級のすごい芸術家であると言いたいのだ。「馬鹿か」と思ったが、面白いから撮り始めたらお花の石田秀翠家元の娘さんが「止めてください」と注意に来た。「はるひ美術館の館長がそう決めました」と。もうやっておれない。

 だが日本中が撮影禁止なのではない。今年5月に訪れた大阪国立国際美術館はカメラOKだったと先回の僕のブログで書いた。またつい先日豊田市美術館もOKとなったという。先進的でグローバルな美術館の館長は世界の動きを知っているのだ。

 それに比べて保守的芸能文化から抜け出せない名古屋は、時代遅れの面が多いから、僕のような絵描きにとっては批判対象として書くことがいっぱいで面白いところかもしれない。清州越しの名古屋人で僕はよかった。本人が土着名古屋人のため名古屋の悪口をいくら言っても誰も非難しない。僕はそれを承知でどれだけ名古屋の悪口を書きまくったことか。他県人が言ったなら、非難囂々だろう。

 講演当日はこんな具合に何か変だぞと言った名古屋のアートを糸口に、ヨーロッパやアメリカのアートとの比較論にも言及したいと思っている。これはプロジェクターを用い、分かりやすく説明しようと思っている。

ピンホール原理のカメラ  カンテラを背負った映像屋
写真上左:300年以上前にすでにピンホールカメラの原理を使って絵が描かれていた。
写真上右:カンテラを使って映像を映す商売屋さん


部屋の中で映像を見る人々 クールベ「波」
写真上左:部屋の中で映像を見る人々。
写真上右:写真を使ったクールベの波。(目ではとらえられない一瞬の波を描いている。公表はしていないが写真機を使っている)


 さらに僕が今までに行った美術イベントの中から、『名古屋の隠れた名庭ベスト10』とか平成9年9月9日にやった『90歳以上99人の似顔絵を描こう』等にも触れるつもりだ。(きんさん、ぎんさんの肖像画を僕が描き差し上げたらぎんさんから自筆の手紙をもらったりもした)
名古屋の隠れた名庭ベスト10 90歳以上99人の肖像を描く
写真上左:『名古屋の名庭ベスト10』中日新聞
写真上右:『90歳以上、99人の肖像を描く』読売新聞全国版1面


また誰にでもできる名古屋的絵の描き方をパソコンとプロジェクターを使って実演する予定だ。
僕は講演もアート(模倣でなく創造)と考えているから、これまで誰もやらなかった講演をやりたいと思っている。


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アートはもっと自由でいい

はじめまして。図書館で講演会のチラシを見つけ、検索しこちらのサイトにおじゃましました。記事を拝見し、思い当たったことが・・・先日、某市内の場所にチラシを置いていただくよう頼み、それは快諾されたのですが、その写真は撮影禁止といわれ、とても不思議でした。もちろん窓口の担当に決定権はなく、上からのお達しだと思い、撮影はしないで帰りましたが、悲しい情けない気持ちでいっぱいになりました。名古屋・・・閉鎖的で保守的、拡がりがないと思うところ大です(私はもともと関東、八王子の出身で名古屋人ではありません)
アートこそ、意思や強さ、メッセージはもちろん、自由で柔軟でなければ!と思うのに、とても残念な状況なんですね。
9日はぜひ講演に足を運ぼうと思っています。写真と絵を組み合わせて画を創りたい希望も持っていて、なにも始めてませんが、長期で夢を持っています。いろんなお話がうかがえるのを期待しております。
カウンター(since2011.1.1)
プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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