『妖怪イン・ニューヨーク』出版 発売10月1日

『妖怪イン・ニューヨーク』出版 発売10月1日

 以前にもちょっと書きましたが、僕のブログで連載していた『YOKAI (妖怪) in New York』が10月1日に出版発売となりました。前回に続き東京の老舗出版社ワイズ出版からの発行です。(定価1800円)

写真下:『妖怪イン・ニューヨーク』表紙
『妖怪イン・ニューヨーク』表紙

 前回出版した『名古屋力・妖怪篇』に続く妖怪関連本ですが、前回は名古屋とその周辺の妖怪だったのに対し、今回はニューヨークが舞台ですので、ちょっとニューヨークに関心のある方には日本全国どなたにも読んでいただけるのではないかと思っています。東京の紀伊国屋書店にはすでに店頭に並んでいるし、横浜や京都、大阪の知人からも本屋で見つけ買ったよと連絡を受け喜んでいます。

目次1
目次2写真左:目次

 今回は前回より絵や写真をふんだんに入れたので、ニューヨークの街をより興味深いものに感じて頂けるのではないかと思っています。妖怪という視点を取り入れたことで新しいニューヨークの発見にもつながるのではとも思っています。ニューヨーク関連本というとほとんどがファッションやグルメ、観劇等の紹介で終わりですが、妖怪というまったく別の観点から書いたことで一味違ったニューヨーク本になったと思っています。ニューヨークへ行く人たちがこの本を読んでから訪問してもらえたら嬉しいです。
 ご存知のように10月末にはハロウィンがやってきます。それに向けてニューヨークはものすごく盛り上がる筈です。これを考慮して10月1日の出版を決定しました。是非読んで下さって今後ニューヨークへ行かれる折の参考にして頂ければ幸いです。

蠅に囲まれたジョン、ヨーコ、ダリ
 私事ですが、来年2016年10月27日から11月2日、ハロウィンの最中にニューヨーク、マンハッタンで僕の個展をします。内容はこの本に取り上げた妖怪37体を油絵具で大きく描き直したものを中心に展示する予定です。ニューヨークの紀伊国屋書店ともコラボできたらとも思っています。ハロウィンの日にはギャラリーを飛び出し、ハロウィンの行列に加わるつもりです。近頃のニューヨークのハロウィンはゾンビ祭りのような雰囲気になり、すごい形相の人たちでにぎわっています。来年になりますが、もしニューヨークのハロウィンに参加したい人は私とゾンビ化粧をして、ゾンビコンクールにチャレンジしましょう。もちろん見るだけでも楽しいですが。
写真右上:本書p119 蠅に囲まれたジョンやヨーコ、そしてダリ

 さてこの本『妖怪イン・ニューヨーク』を僕が書くきっかけとなったことが書かれている導入部分<はじめに>をちょっと紹介させてください。


<はじめに>
 僕の最初の妖怪本『名古屋力・妖怪篇』のもとになる文章をブログで書き始めたのは2011年の2月で、出版したのは2013年の7月26日(幽霊の日)だった。この出版の2か月後、テレビで『妖怪ウオッチ』が始まった。新しいタイプの日本の妖怪たちがそろそろ自分たちの出番ではないかと動きはじめたように思える。
(中略)
 2014年の5月、ニューヨーク、マンハッタンの中心街で美術展をした折、僕の作品が妖怪画であったので現地の人とも妖怪話で会話が盛り上がった。ニューヨークにも妖怪や幽霊話は多い。『週刊NY生活』によると、米国民の34%が幽霊を信じ、23%が幽霊を実際に見た、あるいは感じたと記している。ブルックリンの幽霊橋、図書館に現れる妖怪、ハドソン川下のトンネルで忽然と消える人間(ここを幽霊トンネルというそうだ)などだ。さらに2番街の10丁目にあるセント・ピーターズ・チャーチでは夜中になると、無人であるのに義足のコトコトという音が聞こえ、通りから見ると窓に影が映るという。また以前チャイナタウンからボストンに向かう格安バスを「幽霊バス」と呼んでいたそうだ。というのはあまりにたくさんの死亡事故が発生したためで、今は中止になっているとのことだ。

 ニューヨークではないが大統領のいるホワイトハウスを幽霊屋敷と呼んでいるのをアメリカで知らない人はいないだろう。屋敷内で歴代の大統領の幽霊を目撃したという数々の逸話もある。中でも多いのはリンカーンらしい。この屋敷、米英戦争のさなかイギリス軍に焼かれたため白いペンキを前面に塗ったという。だからその後、ここはホワイトハウスと呼ばれるようになったとか。幽霊もペンキをかけられた白い姿で現れるとおもしろい。『ホワイトゴースト』なんてネーミングしてもいい。

 だがここニューヨークには上記のような幽霊話はあっても、幽霊や妖怪を描いた絵がほとんどない。ゴーストバスターズのヒットで幽霊の絵柄が人気を得たが、一般大衆が好む明るく陽気なもので、Tシャツのイラスト的なものにとどまっている。日本のような恨みつらみの怨念を表した絵画は見られない。日本の陰湿なお化けに対して、アメリカは陽気なお化けが多いといえる。僕の描く妖怪画は、面白く楽しいとよく言われる。ということは少々アメリカ的なのかもしれない。
 そんなわけで日本の中心、尾張地方の妖怪を暴きだし、それらについて僕のオリジナルな妖怪画を描き、本にした僕としては、ニューヨークでの展覧会の後、ここニューヨークの妖怪も是非描いて(書いて)みたいという気持ちが沸々と湧いてきた。

ニューヨーク妖怪地図
 僕の本業は現代美術作家だが、現代美術をある意味で、妖怪と同じだと捉えている。ともに人間の感情、欲望、恐怖、怨念などといった目に見えないものを形あるものに創造する行為だからだ。それ故僕の役割は、怨念の分かる日本人として、同時に現代美術の作家としてニューヨークの街を妖怪目線・現代美術目線で捕えることだと思っている。

 この本はこれまで語られてきたお化けや妖怪を解説するものではなく、僕がニューヨークで見たり感じたりした妖怪的なものについて書いたものだ。したがって奇人と言われた人物や、変わった建物、場所なども妖怪にしてしまっている。そしてそれらの話をもとに毎回僕のオリジナル妖怪も創り出し、描いてみた。文章と絵をともに楽しんで頂けたらと思っている。
なお僕の妖怪アートは大阪国立国際美術館や愛知県立美術館、刈谷市立美術館等々に所蔵されている。
             2015,7,26 山田彊一記


写真右:ニューヨーク妖怪地図
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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