ニューヨークの「自由の女神像」のモデルは?

ニューヨークの「自由の女神像」のモデルは?

自由の女神像
 先回のブログで『YOKAI (妖怪) in New York』を本にして出版することを書き、ニューヨーク湾、リバティ島に立つ「自由の女神像」(写真右)のモデルについても言及した。その折に僕が紹介したのは一般的に言われているもので、ドラクロワの描いた「民衆を率いる自由の女神」か、またこれを造った設計者のお母さんか、またフリーメイソンの関係者が作ったのだから彼等が崇めるメデューサか、と書いた。そうしたらこのブログの読者から「あなたはどう思うのか?」と尋ねられた。
 そこで僕なりに考えた結論を書きたいと思う。「自由の女神像」のモデルはゴーゴン美人3姉妹のうちのメデューサだ。あの蛇の髪を持ち彼女と目が合った者は石にされてしまう恐ろしい女性のことだ。

 なぜメデューサと思うのかという理由を僕はトルコの旅を思い出して結論付けた。僕はこれまでトルコに3度ほど出掛け、2回は仲間を案内しているからこの国のことはよく知っているつもりだ。日本からの男性旅行者に紹介すると一番喜ばれるのは、あの有名なブルーモスクではなく、近くにある「地下宮殿」だ。

地下宮殿内の僕
 「地下宮殿」とはユスティニアヌス帝(在位527~565年)が作ったと言われる地下にある水の貯蔵所で、この場所は僕が行った1980~90年当時、今ほどメジャーでなかった。一応観光ルートには入っていたが、観光客は少なく、僕が最初に行った時は観光客は僕だけ、2度目は僕とその同行者だけだった。
写真左:地下宮殿をバックに僕。30年ほど前の当時は現在のようには明るくライトアップされていなかった。

 だが同行者にも喜んでもらえたし、僕もとても気に入っているので、僕は友人や生徒などと行くのなら見学コースとして紹介したいと思っている。3回目の僕が仲間と行った時は旅行者が多くなっていた。 旅行客が増えた理由はいろいろ考えられる。例えば各国で経済発展により海外旅行が一般的になっていったことがあるだろう。しかしいろいろある理由のうちの一つが映画のロケ地になったことだろう。ここを訪れると若い男なら必ず興奮する。彼らがまず見ているだろう『007ロシアより愛をこめて』に思いを馳せることが出来るからだ。ここでロケが行われ、ション・コネリーがかっこよく暴れまくる。男たちはこれに同化できるのだ。外へ出ると何故か男たちは胸を張って堂々としている。ション・コネリーになっているのだ。今のようにぞろぞろ観光客が入ってくると、そんな雰囲気に浸れないかもしれないが。     

メデューサ像の前で
 ここ地下宮殿奥には1m程のメデューサ像の頭部が逆さまになったものと横向きになったものがある。
写真右:メデューサ像の前で僕とギリシャ人の親子
神殿を支える柱の礎石として使われているのだ。これも歴史が感じられて面白い。メデューサはギリシャ神話の女神の中で一番興味をそそる女性ではないか。メデューサに自分の妻のイメージを重ね合わせる男性もいるだろう。でも何故逆さまになり、ここに柱の一部として像は存在しているのか。

写真下:逆さまに置かれたメデューサの頭部(髪の毛が蛇になっている)正面から見たところ
メデューサの首
 330年、ローマ帝国の首都がローマからコンスタンティノープル(現イスタンブール)に移され、遷都の前313年に一神教であるキリスト教が国教として公認されたので、それ以降ギリシャ神話の神々は異教の神となり、追放すべき対象となっている。地下宮殿が作られた6世紀当時は、ギリシャ関連の建物に使われた柱などは廃材として扱われたようだ。メデューサの頭部が逆さまや横向きに置かれたことついては、その方が柱の礎石としての安定が良かったか、ギリシャ神話の中でも悪魔扱いされている彼女の持つ魔力を封印したかったのか、などいろいろ説がある。

 このメデューサの柱、本来は神殿の守り神として柱に刻まれていた。これで外敵を追っ払う役目があったのであろう。言ってみればエジプトのスフィンクス、日本でいうところの狛犬の役目を負わされていたと思われる。
 「自由の女神像」の設計者は、フリーメイソンが崇拝する女神メデューサを「自由の女神像」のモデルとしたことも理由の一つだろうが、外敵からの守り神としてニューヨークの玄関口にあるリバティ島に立てたのだと思う。自由の国アメリカを守ってくれる守り神のつもりだったのだろう。僕の調べた限り、このような理由で『自由の女神』のモデルになっていると説明している資料には出くわさなかった。調べていくと色々なことが分かって面白い。そんな思いもこめて妖怪『自由の女神メデューサ』の絵を描いてみた。(『YOKAI in New York』を描いていた時の癖で、ついつい妖怪を描いてしまったのである。)

トルコ風呂の受付
 余談だが、トルコと言えば、蒸し風呂が観光客に人気だ。
写真右:トルコの蒸し風呂の受付前の僕。このカウンターに置いてあるタオルを借りる。
僕も行ってみたが、ロッカーに入れたパスポートなどの貴重品が気になってのんびりくつろぐ気分になれないし、名物の垢すりも頼んだが、これも前の人に使ったスリ布を使うため皮膚炎になったらどうしようかといった心配が楽しみを削ぐ。

蒸し風呂での垢すり
写真左:蒸し風呂での垢すり。大の男が力を込めてこするのでその痛さと言ったら無かった。体毛が全部なくなっていた。まさか脱毛も兼ねているなんてことは無いと思うが。

 「そんな心配ばかりしていたら旅なんて面白くないのでは?」とよく言われる。確かに僕の旅は旅行中は楽しくない。食事でも事前にメニューを見せて、これだと言っておいても2倍か3倍の料金を請求してくる。そんなことを考えると美味しいものもまずくなってしまう。 
 僕の旅は一般の観光客が行かない危険な地域が多い。しかも場所がら、英語もあまり通じないこともたびたびだ。常に身の危険の先読みをして行動するから緊張ばかりだ。しかし50か国以上の僻地中心の旅行で僕が生き残ってこられたのは、危険を回避しようと常に全神経を集中しているからだと思っている。この様な旅が終わると「やったぜー、無傷で帰ったぞ!」と安堵し、その後爽快感がやってくるのである。


さて上記した妖怪『自由の女神メデューサ』の絵を紹介させていただきたいと思う。

妖怪自由の女神メデューサ 

 この妖怪『自由の女神メデューサ』はアメリカ国旗の衣服を付けているが、手に持つ松明はフランス国旗だ。赤い頭の蛇はアメリカ、黒いのはフランスだ。髪の毛はメデューサのように蛇になっている。2匹はトムとジェリーのように仲良く遊んでいる。こんな国際関係になってほしいものだ。
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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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