YOKAI (妖怪) in New York 第28話 妖怪の墓場?自然史博物館

YOKAI (妖怪) in New York 
第28話 妖怪の墓場?自然史博物館

ニューヨーク自然史博物館全景
 ニューヨーク自然史博物館で展示されている恐竜やミイラたちが、夜になると一斉に騒ぎ出す話は、2006年に公開された映画『ナイトミュージアム』の大ヒットで多くの人が知るところとなった。
写真右:ニューヨーク自然史博物館全景
映画のストーリーは展示されているエジプト王の石版の魔力で、夜になると事件が起きるというものだ。


自然史博物館内部
写真左:博物館内部
 もともとこの博物館は1869年創設の古い建物であり、また世界最大の恐竜化石を持つ博物館だから人々は特別なイメージを持つのだろう。夜の館内で展示してあるライオンの剥製や骨格標本の恐竜たちが勝手に動き始めるという物語が子供たちを虜にし、ニューヨークへ来る子供たちの一番の狙いはここニューヨーク自然史博物館であるという。

恐竜の骨格
 またそういった子供たちのために8月には期間限定のお泊り企画があり、子供たちは寝袋と懐中電気を持って幽霊屋敷と称される館内で1泊する。日本の夏に行われる肝試しと似ているが、3200万点のミイラや骨等の所蔵品があるここはスケールが違う。妖怪の巨大墓場の様なところで、その展示物が夜に命を得て、化け物の様相で出現すると思っただけで子供たちは興奮するのではないか。
写真右上:恐竜の骨格標本

アズライトの原石
 ここには「喋る石」と言われる重さが800㎏もある巨大な石(写真左)もあって、静かになった真夜中にはそのおしゃべりが鮮明に聞けるとも?この化け物石はアズライトと言って、心霊診断家としても有名なエドガー・ケイシー(彼は心霊診断家というよりかけてもらって予言する人とも言われる)がそのパワーストーンとしての絶大な効果に「喋る石」と名付けたと言われている。人の潜在能力に働きかけ、眠っている知恵や第六感を揺り動かしたり、枕の下に入れて眠ると予知夢を見せてくれるという。となるとこの石が博物館内の恐竜や剥製動物を目覚めさせたと考えられなくもない。

 日本にも喋る石があるがこちらは少し違う。愛知県の桶狭間古戦場跡にある「お化け地蔵」と呼ばれる御影石の地蔵は、織田信長に首をとられた今川義元の亡霊を地元民が見、それを成仏させるために建てたものだ。建立以後亡霊は見られなくなったと言われているが、この御影石に耳を当てると義元の無念のうめきが聞かれるという。民が造り上げた妖怪石だ。

 この博物館に展示されているのと同種の石を古代ネイティブアメリカンのシャーマンは聖なる石と崇め、祈りの折の道具として使っているとか。この石に祈りをささげると精神も肉体も清浄化され、神に近付くという。瞑想する時の道具としても最適であるらしい。又この石はブルーマラカイトとも呼ばれる宝石でもありガラスのような光沢がある。とてもきれいなので身を守るおまじないを兼ねてこの石を指輪にする人も多い。それにこの粉は古来より青の顔料としても使用されている。博物館に泊まった子供たちはまずこの石と添い寝して、身を守るおまじないでもうけていざ肝試しとなるのだろうか。

僕とマリ共和国の子供たち
 僕はいつもこの博物館に入るとすぐ上階のレストランへ行って寿司を食べる習慣がある。どうもここに入るとこれまで一人旅をしたアフリカやアマゾン、パプアニューギニア等が頭に浮かんで来る。
写真右:マリ共和国の子供たちと僕。僕が訪れた当時(2003年)はまだ平和で子供たちも屈託のない笑顔を見せてくれた。
命の危険もあった過酷な旅で、そんな時は日本から持ち込んだ梅干しやノリなどで一息ついで気を落ち着かせた。それらがない時は月を見て「日本と同じだ」と自らを慰めた。

僕が降ろされたバス停
 アフリカのマリ共和国では夜中に草原のど真ん中でただ一人、バス(雨が天井から降ってくる)を降ろされてしまったことがあった。
写真左:僕が夜降ろされたバス停、次の日に明るくなってからみた風景。バス停の標識などはまったくない。
僕は大きな町までの切符を買ったはずだったが途中乗り換えてから行く切符だったらしい。この国のバスは乗客がいっぱいにならないと動かない。来ないと1日や2日待たされることはざらだ。真暗闇の草原でただ一人いつ来るか分からないバスを待つ恐怖。時折聞かれる動物の鳴き声。その折にしゃぶったのも梅干しとノリだった。これは不思議と気持ちを落ち着かせた。ノリや梅干しの味が無意識のうちに寿司を食べることにつながったのだろう。この自然史博物館で夜を過ごす子供たちもきっとそんな食べ物か妖怪対策グッズを持て来ているのではないか。
村で一番大きいバス停
写真右:往きは村で一番大きいバス停からバスに乗った。現地の男性が人懐っこく話しかけてきた。


 ところで近頃、アメリカではヨーロッパ人が新大陸に入る前のネイティブアメリカン巨人族についての話題が盛んらしい。彼等の中には3m以上ある巨人もいて、その骨があちこちで発見され大ニュースになった。1833年、アメリカのカリフォルニア州でれき岩層の中から推定身長は3m60cmの巨大な骸骨が発見された。近い所では1986年、メキシコのシトラルテペトル火山のふもとで、高さ約50cmの頭蓋骨と頸骨と見られる骨が発見された。推定身長は3m50~60cmと考えられる。

頭の長い頭蓋骨 (300x254)
 ところがその後の研究成果が提示されず、ここニューヨーク自然史博物館でもこれらの骨をしまい込んで表に出さない。長く伸びた頭蓋骨(写真左)を持ったこの巨人は学校の教科書にも取り上げられていない。同様にスミソニアン博物館は長らく巨人族の骨の存在を全面否定していたが、のち、一部職員が、証拠隠滅の証拠が存在することを認めた。加えて裁判所に1.3mもの長さの大腿骨が提出された。2015年中にその理由を説明せよと最高裁からスミソニアンやここニューヨーク自然史博物館等の研究者に通達が出ていると言われている。今年はまさに2015年だ。裁判の行方が気になる。
 巨人の骨が隠蔽された理由は、未知の巨人族がかつて存在したことを認めると、人類の誕生と発展に関する伝統的理論、ダーウィン理論は根底から覆されることになるのを恐れたからだ。確かに多くの巨人伝説があり、その中にはまったくの作り話やインチキの骨もきっとあるだろう。しかしそれならば証拠としての物体のあるものはしっかり検証して、堂々と反論を立ち上げるべきではと思う。隠蔽は最悪だ。真の妖怪は伝統的理論に凝り固まった排他的でアカデミックな考古学集団かもしれない。
 この文化や技術の進んだアメリカで解明されていなかった歴史がありその証明標本が博物館にあると思うとまた興奮してしまう。夜になり出現した彼らの亡霊に会い、その真偽のほどを聞き出したいものだ。


<ニューヨークの妖怪シリーズ>

 さて今回も上記の話に因んだ僕のオリジナル妖怪画を紹介したい。

㉘ 『妖怪恐竜』
妖怪恐竜 

 アカデミックな学会の裏には色々な事情が渦巻いているかもしれないが、今回は小さな子供にも怖くない楽しい妖怪恐竜にしてみた。ニューヨーク自然史博物館には世界で一番多くの恐竜の化石がある。黒い大きな博物館恐竜がそれらをみんなのみ込んで楽しく共存させている。そんな様子を描いてみた。

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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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