Dアートビエンナーレ北京展

『Dアートビエンナーレ 北京展』
選抜6人展、三里屯《ギャラリーY++》で開催
2010年12月8日~12月28日

ギャラリーY++
 先回おこなわれた第2回『D アートビエンナーレ』で選ばれた6人による選抜展が、北京三里屯のギャラリーで始まった。写真右:ギャラリーY++三里屯VILLAGE 北区N2-42
 ここ三里屯は北京の原宿と称されるところで、多くの若者が集まる。街角にユニクロ北京展がオープンしたことで日本人にもよく知られている。
 選抜6人展のオープニングには沢山の作家や記者も集まり華やかであった。
6人の作品はあの小山登美夫氏や、日本で一番絵の取扱高の大きいシンワアート(オクション会社の老舗)の倉田陽一郎社長も加わって審査しただけあって、見ごたえがあった。しかし、いい作品の割には自分の作品に対する言葉のピーアール力がない。遠慮しすぎだ。英語や中国語に弱いことはあるかもしれないが、そんなことは気にせず大きな声で訴えればいい。それで人々は迫力を感じ、作品に対する作者の自信を感じるだろう。出品作家の一人にはすでにバーゼルの芸術見本市への誘いが入り、凄いことになりそうだ。バーゼルへの参加はベニスビエンナーレと並んで画家たちの憧れの的だ。

写真下: 自分の作品が掲載された雑誌を見せる作家
自分の作品が掲載された冊子と作家
 この中の一人でも二人でもヒーロ―、ヒロインが現れれば大金をつぎ込んでいる堀財団の堀会長にとって納得のいくものとなるであろう。北京には堀会長のように、文化の発展は経済と並び重要と考える財界人が多く、10か所近い芸術エリアがこの10年程の間に興っている。金持ちが球場程の土地を買い占め、そこに美術館やギャラリー、作家のアトリエを建てた。芸術の一大拠点を作り上げて、芸術を擁護しようとしたのだが、あまりにギャラリーなどが多すぎて、借り手不足などの問題もおきているらしい。しかし失敗があろうが、どんどん突っ走るのが今の中国だ。それに比べると、名古屋は一見落ち着いてきれいだが、将来に目標を掲げることができない老人施設のようだ

作家のアトリエ
写真右上:教室の四倍ほどのアトリエ(家賃、日本円で20万程)
 「名古屋には芸術家が多くそんなことはありません」と言われる方もいるだろう。一度北京へ来て『798』や『三里屯』、北京現代美術館の周辺を歩いてほしい。桁違いのスケールに度肝を抜かされるだろう。個人ギャラリーでも美術館並みで、数百あるアトリエはどこも高さが7~8mあり教室4個分ほどの大きさなのだ。それに比べたら名古屋はお絵描きの延長の画家もどきと言っていいだろう。ここ北京の作家たちは身体を張っている。10年後には彼等の半分がホームレス化していてもおかしくない。今あるお金を全てつぎ込んで明日に掛けているのだ。

黄氏自宅の草間弥生
 北京滞在中、倉田さんのお友達のコレクターの自宅にも招待された。その中の一軒、黄さん宅では午前2時ごろまで飲み食べおしゃべりをした。日本のお金持ちは他人を家に入れたがらない人もいるが、中国人の金持ちはフレンドリーな人が多い。部屋の中には数百~数千万円する絵が数十点も無造作に掛けてある。ウォーホール、キース・へリング、キスリング等。日本の作家も奈良美智、村上隆、草間弥生等があった。写真右上:黄氏の自宅(赤い作品は草間弥生)
「保険に入っているのですか」の僕の質問に笑われてしまった。保険など入る筈がないとのことだった。火事になってもドロボーに入られてもそれはそれで仕方がない、また稼げばいいということらしい。日本のお金持ちは60~70代と高齢の人が多く財産を守ろうとするが、中国は文革で皆同じスタートラインにたちその後に出てきたお金持ちで40~50歳代で皆若い。彼等はどうすれば稼げるか、身をもって知っているので、破産したらまた稼げばいいとでも思っているようだ。したがってお金に対する執着が全くない。そういった人々や、身体を張った若者が今の中国を経済的にも芸術的にもダイナミックに動かしている。


※『Dアートビエンナーレ北京展』は12月の25日まで開催されています。もし北京に行かれることがあればご覧になってください。

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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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