二ューヨーク再訪―さらなる妖怪を求めて

二ューヨーク再訪さらなる妖怪を求めて

ロックフェラーセンター前のクリスマスツリー
 今年2度目のニューヨーク9日間の旅から、この12月19日、名古屋に帰国したところだ。
写真右:ロックフェラーセンター前の恒例のクリスマスツリー

 ニューヨークもめちゃ寒かったが、帰ってみれば名古屋も同じだった。聞けば名古屋には珍しい大雪で23㎝の積雪とのこと。しかし名古屋はニューヨークのような底冷えはなく、やっぱりニューヨークの方がはるかに寒かった。今年の5月に出かけたニューヨークはさくらが散ったころで、セントラルパークも新緑の真っただ中であった。

 今回こんな寒い冬の時期にニューヨークに行ったのは、先回ニューヨークに行った時から書き始めたYOKAI in New Yorkシリーズをもっと充実したリアルなものにしようと思ったからである。もちろんアーティストの僕としてはニューヨークの美術事情をもっと知っておきたいという理由もあった。そのため訪れるべき場所はしっかり下調べをしていった。

ライオンキング
 さてニューヨークでの僕の行動だが、朝の8時にはホテルを飛び出し、帰りは夜の8時。その間ほとんど歩いている。のんびりするような場所も見当たらないから、寒風の中をひたすら歩く。自分の目で確かめて歩かないと発見がないし妖怪も話しかけてこない。街の人に場所を聞いたりすると必ず地下鉄での行き方を教えてくれる。僕が歩いていくと言うと、crazy! と言って驚く。一人旅でなく連れがいたらきっと怒り出すだろう。一人旅は気楽だ。

 ある時など、朝から歩いていてそろそろ疲れたから一服でもしたいなと思っていたら、ちょうどオペラ座の前だった。「ライオンキング」が上演(写真上)されており、開演は2時と出ていた。時間は2時15分前。空席チケット有りと出ていたからその場で買って入場してしまった。暖かい場内と柔らかな椅子で途中からついうとうとしてしまったが。

コロンビア大学の女神像
 ところでオバマ大統領の出たコロンビア大学には妖怪のフクロウが潜んでいるとの噂があるのでここも調べに出かけた。大学の入り口がどこかわからず、学生らしい青年に尋ねたら、僕について来いといわれすんなり中に入れた。昨今は学問の府といえどもセキュリティが厳重で、一人だったらきっと門衛と一悶着あっただろう。

 目指すフクロウは講堂前の女神像(写真右上)の服の脇に、ほとんど誰にもわからないように彫られている。この像を作った彫刻家がこっそりと作り加えていたものだ。写真撮影の後、ついでに内部に入ってサンドイッチとコーヒーも買って食べ、昼食代わりとしてしまった。大学の学食は安いしチップの心配をしなくてもいいし、気楽だ。ワシントンスクエアーガーデン横にあるニューヨーク大学には勝手に入って2回もトイレを借りたりした。ここも門衛がいるが、堂々とした態度で入っていったらすんなり入れた。

ブルックリン橋を渡る
 さて滞在最終日は帰国のフライトが午後なので、朝シャワーを浴びてから地下鉄に乗ってブルックリン橋をもう一度見に出かけた。朝もやに煙る橋に立ってみたかったからだ。残念ながらもやはかかっていなかった。
写真左:朝のブルックリン橋を渡る


 橋を渡った後まだ1時間あったから、地下鉄でセントラルパークに向かった。もう何度もここには来ているが、何か見落としてはいないかと気になったからだ。

木から顔を出すリス
 リスが木々の間を飛び回って餌を探していた。朝の11時頃はリスもおなかがすいているらしい。僕が追っかけると「この人間、なんで自分を追っかけてくるの?」といった表情で巣穴に入ってこちらを見ている。それが僕にはまるで小さくてかわいい悪魔妖怪のように思えた。
写真右:木の巣穴からこちらを見つめるリス

 次に僕の目はリスが隠れた木に釘付けになった。これまで何回となくこのセントラルパークへ来たが、それぞれの木々を大きな緑の塊としてしか見ておらず、一本一本の木にこだわって見たことがなかった。木の幹を身近に見てびっくりした。大きく開けた口や、こちらを見ているような目がいっぱいある。木にはそれぞれの表情があり、まるで妖怪たちの集合体であるみたいだ。文では分かりづらいから写真で確認してほしい。下の写真以外にも公園内のほとんどの木が妖怪や動物のような表情を持っていた。

写真下:妖怪や動物のような顔をした木々
妖怪の顔のような木 動物の顔のような木

 このセントラルパークにはこれらの樹木妖怪がうようよいるのだ。ニューヨークも妖怪の巣窟なら、セントラルパークも妖怪たちの庭なのだ。
 まさに帰る直前のこの発見が、僕の妖怪探訪の旅の終わりを不思議で幸せな高揚感で満たしてくれた。僕はますます妖怪文を書くぞという意欲を掻き立てられたのである。

スロべキアの画家と僕
※ところでニューヨークでは日本クラブの佐藤局長さんや本多康子さん、アートプロデューサーで日本に今エジプト展を持ってきている佐藤キョーコさん、アジェインギャラリーのオーナー氏、その代表スタッフのパノッタさんや森川さんらに大変お世話になった。

 佐藤キョーコさんは、友達であるスロベキヤのアーティストのネモン氏らと僕を、日本風居酒屋「けんか」へ飲みに連れて行ってくれ、彼等との友好を図ってくれた。
写真右上:スロベキヤのアーティストと僕

 一つ心残りだったのは、おつまみメニューの中にあった「牛のちんこ」を食べなかったことだ。中国、台湾でも見たことがなかった。本当は注文したかったが、女性の手前失礼かと思って注文できなかったのだ。
写真下:日本風居酒屋「けんか」と牛のちんこのメニュー
居酒屋けんか 牛のちんこのメニュー

 今年はまだ年賀状を書き始めておらず、今から800枚の手書きが待っている。本当は全部印刷にしたいが、一年に一度は名前と顔を思い出したいから書くことにしている。


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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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