スタバ2000円コーヒー本当に20倍美味しいの?

スタバ2000円コーヒー本当に20倍美味しいの?

 スタバが1杯2000円のコーヒーを全国では48店舗、名古屋では2店舗で売り出すという。名古屋でうまくいくだろうか。もし名古屋でうまくいったら全国展開の成功は間違いなしと僕は思う。伝統的名古屋人はみなさん食につつましく余分なお金を使わない。だからその名古屋で売れたら全国でも売れると思うわけだ。
 でも2000円もするコーヒー、本当に売れるだろうか。今では価格競争もあってコンビニなどでまあまあおいしいコーヒーがセルフサービスで100円で飲める。20倍の価格だ。美味しさも20倍だろうか。またこの地はモーニングサービスの盛んなところだ。ケチでコーヒーだけでは納得しないお国柄、何かお土産を付けなくては飲んでもらえない。例えばこのコーヒーを飲んだらパナマの水をサービスするとか。太平洋の水と大西洋の水が混ざってる水なら納得するかもしれない。

パナマ アウロマール ゲイシャ
 突然パナマが出てきたわけは、実はこの2000円のコーヒー豆、パナマ産で名前を『パナマ アウロマール ゲイシャ』(写真右)というらしい。もともとの原産地はエチオピア南西部の『ゲシャ』という村であるという。栽培が大変でなかなか育たないため希少種となっているそうだ。その苗をパナマが買って栽培をしたそうなのだ。エチオピアのゲシャ村産がパナマで栽培されて何故ゲイシャという名になったかはよくわからない。多分パナマで発音しやすい言い方に変わったのだろう。このコーヒーは淹れるとレモンティーやジャスミンのフルーティな香りがするそうだ。

 こう聞くといろいろ検討したくなるのが僕の性分。なぜ今、この高いコーヒーなのか。単なる話題とりなのだろうか。多くの客が面白がって一人1杯でも全員が飲んでくれれば元は取れるからか。保守王国の名古屋は本来ならこのような行為に飛びつかないはずだ。
 「おいしかったら飛びつくでしょう」。それも見方が甘い。以前NHKが調べたのだが、名古屋人が一番買う魚はキハダマグロ。東京人が一番買うのはキハダマグロよりはるかにおいしく値段が倍もする本マグロ。ちなみに東京でのキハダマグロはよく食べる魚の10位にも入っていない。また名古屋での本マグロも10位に入っていない。名古屋人は美味しさより安さなのだ。さあスタバはどうなるか。

アディスアベバの老舗コーヒーショップ
 話をコーヒーに戻すと、実は僕は4年前に一人で10日程エチオピアの村々を歩いたことがある。ゲシャ村には行ってないが相当歩きコーヒーもいろいろ飲んでいる。首都のアディスアベバでは街中で一番と言われる老舗のコーヒーショップに入り、最高級と称されるコーヒーを飲んだことがある。
写真左上:エチオピア・アディスアベバの老舗コーヒーショップ

 ここエチオピアは誰もが知るコーヒー発祥の地だ。ブラジルにもエクアドルにもキリマンジャロにも、コーヒー文化はここエチオピアから伝わったのだ。コーヒー発祥の地、エチオピアの老舗のコーヒー店とくれば、当然期待は高まる。店の雰囲気もまあまあだ。だが飲んでみると期待とはうらはらに別に驚くほどのおいしさでなかった。エチオピア国内の旅の途中の村々で飲むコーヒーもまあ普通以下だった。

ケニアで教えた画学生達
 ケニヤで飲んだキリマンジャロコーヒーはまずかった。そもそも喫茶店に入ってもコーヒーを売っているところがほとんどない。人々はコーヒーを飲む習慣がないようだ。イギリスが植民統治したから紅茶文化が定着したのだろうか。いい豆は全て輸出して現地では屑豆を挽いたものしかなかった。写真右上:一緒にコーヒーを飲んだケニヤの画学生達。僕がケニヤへ行った目的はケニヤの美術大学で講演をして学生と交流することだった。
「エチオピアでもそんな屑豆のコーヒーだったのではありませんか」。そんなこともあるから国で一番というコーヒーショップにわざわざ出かけたのだ。

エクアドルのお年寄りと僕
 南米エクアドルでは長寿村ビルカバンバで89歳のおじいさんが入れてくれたコーヒーを飲んだが、これはまあおいしかった。口が乾いていたこともある。
写真左:エクアドルのお年寄りと僕。彼の庭で育てた自家製のタバコを吸いながら、同じく自家製のコーヒーを飲んだ。

自分のために栽培しているコーヒー
 この長寿村ビルカバンバは全て自給自足の生活で彼の家の庭にはありとあらゆる食べ物、主食のとうもろこしからタバコ、コーヒーといった嗜好品までいろいろなものが植えられていた。写真右:彼の家の庭で栽培されていたコーヒーの木
 家の中の片隅ではクイという動物が飼われていた。もちろん食用だ。塩以外はすべてまかなえるのだそうだ。生きるためには食べなければならず、食べるためには植物、動物を育てなければならない。この労働が長寿の一つの条件であることが彼の暮らしぶりからうかがえた。写真の彼は89歳にしては若々しい。

 僕は世界50か国以上の国に行きいろんな種類のコーヒーを飲んでいるが、結局僕が一番気に入ったのはわが家で自分が沸かして飲んだコーヒーだ。普通のコーヒー豆とチョコレートの香りがする「GODIVA」のコーヒー豆を半々にして飲んだものだ。「GODIVA」コーヒーだけだとくどいが半分に割るとすごくいい。結局コーヒーもそれを飲む人の嗜好も十人十色で、各人がおいしいと思えば美味しいというのが結論かもしれない。

KAKOコーヒー店の前、人形の服はいろいろ変わる
 「じゃ、先生のこの名古屋でのおすすめは?」 教え子のお父さんが開いたコメダといいたいけれど、これを褒めると縁故優先の名古屋根性になって恥ずかしいから他の美味しいコーヒー店を一つだけ挙げる。中村区の天王崎橋から西へ100mほど行ったところにある「KAKO」コーヒー店だ。味が濃く焙煎の適度な長さがほろ苦く僕の口に合う。僕の家からやや遠いので何かのついでに行った時に飲む程度だが、友人と飲むときはここを紹介する。入り口に僕がキューバでよく見かけたようなおじさんの彫刻があるからよりおいしく感じるのだろうか。
写真左上:お年寄りの彫刻が出迎える『KAKO』コーヒーショップ

 もしこの名古屋で2000円コーヒーが定着したら、うれしい。やっと田舎ケチ文化から脱皮できたということだから。僕の時代がやってくるかもしれぬ。だが僕の予測では駄目だろう。ケチ文化400年の重みはちっとやそっとでは跳ね除けられない。





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プロフィール

絵描きの山彊

Author:絵描きの山彊
山田彊一プロフィール
1964「ニューヨーク,日本人アーティスト14人展(最年少で選抜される。脇田和氏らと) 
1967 第6回シェル美術展(佳作賞)
1981 第3回中日美術展(大賞)
1982 第4回エンバ美術賞展(優秀賞)
1983 第5回宇部絵画トリエンナーレ展(優秀賞)
1984 第5回大阪現代版画コンクール展(優秀賞)
1985 第1回和歌山版画ビエンナーレ展(大賞)
1986 第2回IBM絵画コンクール(大賞)
1989 第11回エンバ美術賞展(準大賞)
1995 第1回中国・北京現代展(優秀賞)
1997 第8回大阪トリエンナーレ展(特別賞)
<著書>
『そして地獄・そして芸術』(ギャラリー安里)
『中学が爆発する』(風媒社)
『きしめん紳士が行く』(風媒社)
『ナゴ・ナラ』(アドア出版)
『おもしろ老後生活術』(黎明書房)
『ピカソはやっぱり名古屋人』(アドア出版)
『僕らにできる教育革命』(アドア出版)
『名古屋力 アート編』(ワイズ出版)  
『名古屋力 妖怪篇』(ワイズ出版) 
『妖怪インニューヨーク』(ワイズ出版)等                   

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